題名:ガッチャマン?
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
誰だ。空の彼方に踊る影…。
誰だ。白い翼の…。
誰だ。貴様は一体誰なんだ。
そうして先に記した「そりゃ、誰もヨメんでしょ」といった彼奴(キャツ)の正体が明かされた。
それはガッチャマンではなく、ネコ(キャッツ)でもなく、ヨメだった。すなわち私の妻妙子だった。夢ん中のジェニファーが、奇妙なまでに妙子に変わっていた。
妙子:(ガッチャマン? ああ、あの科学忍者隊のね…)
(そうだね。これを知っている人なんて、相当の年だね)
妙子:(そうよね。私たちもいつの間にやら年取ったもんだわ…)
妙子と連れ添って23年目。そりゃ、もう岩倉精神病院を北医師に任せたい隠居な年ごろなわけだ。
ジェニファーとの輝かしいアメリカ時代の20代はとうの昔の物語。義理の父岩倉武雄もこの頃はめっきりと新型コロナウイルスの影響で足腰が弱った。彼の眼光は昔のままだが、80を超えた年齢ともなれば冥土が近いことが明らかだ。
私の父母はもうすでにこの世にはいない。彼らは私が医科大学を卒業する間近に連れ添ったようにともに他界している。
そして岩倉武雄の娘であり、妻妙子と私の間にも子供はいない。岩倉精神病院を花見精神病院ともせずならずに、そこを継ぐものはもはや北医師しかいないだろう…。
(私もよわい58か、今年から定年が引き上げられたとはいえ、つい最近まで一般企業なら引退する手前のいい年ごろになったな…。そう、私は、この後も、このまま現役の医師としていられるのか…)
その時、ふと思った。逆算すると、八度まもるの現在の年齢29はちょうど私がインター・アドベンチャーで苦境し、もはや風前の灯火時代と同じ年齢だった。
あの時は私も精神的に追い詰められていた。トニーと一緒に寝泊まりしながら連日連夜徹夜続きの毎日でジェニファーともろくに連絡も取らずに、ストラテジー・ゲーム”フォンタナ・ツリー”を完成させた。が、顧客にも評論家にも酷評だったあの時代。八度まもるの今の相棒は呼称プラひもであるが、現実的には矢田部圭史だった。そして私にはあの時代、現実的な相棒トニーがいた。八度まもるには妻がいた。そして当時の僕にはジェニファーがいた。一致する…、
ということは、お前が八度まもるなのか…?
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