地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

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ヘリの音

…たから、これにした。これで、十分じゃん。卵とネギも乗っけた」「うん、十分だね」「そうでしょ」 妻はうれしそうだった。それだけでもいいんだ。 その晩は妻と一緒にハイネケンを飲んだ。「でもさー、ダリオくんって、営業に向いてないよね。家の会社の営業マンはさ、できる人みんな口がうまいけど、心は結構冷たいよ。長いこと見てると、それが、なんとなくわかってきた。うん、結構冷たい。これも…」。シズコはハイネケンの缶を掲げながら、アルコールのせいなのか少し饒舌だった。こうしてゆっくりとシズコと…

これで、十分じゃん

題名:これで、十分じゃん報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 それからたぶん1週間近く眠り続けた。起きていても、体が動かず、眠ったように意識がぼんやりしていた。体がまるで布団と一体化したような、そんな感じでもあった。何度か、スマホに連絡が入っている。たぶん、会社からだろう。それも、ある時を境にぱったりなくなった。これで僕は間違いなく首だ。解雇だろう。 あれからシズコも帰ってはいない。彼女はどこに行ったのだろうか。 そうだ、クミちゃんからは連絡があったかもしれない。…