地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

たぶん…

題名:たぶん…報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 恋は目に見えない。ましてや愛など影も形も見えない。なのに、皆、平然と、恋した、だの、愛してる、だのと宣う。だから、そのレベルインジケータが人間の額にあればいいのだ。そのレベルイン…

恋の以心伝心

題名:恋の以心伝心報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 壇上に立って業務の手筈について説明しているキーコは、特別な光を放っていた。 この世の光には光速がある。すなわち、光には一定の、限界の速度が宇宙空間で支配されている。でも、その…

初めての出逢い

題名:初めての出逢い報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 意は決した。次の日に、Moon Town自警団の募集場所、第3人工ドームの集会場まで足を運んだ。 集会場に入ると、僕が思っていたよりも意外とそこに居る人は少なかった。せいぜい7人ほど…

あなたを待っている!

題名:あなたを待っている!報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 Moon Townで次第に増えていった犯罪は、主に食料に関するものであった。やはり人は食べていかないと生きてはいけない。新新時代のノアの箱舟が進行し始めた当初は、宇宙食も残さ…

平和な秩序が崩れ

題名:平和な秩序が崩れ報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 真っ白なベッドで固定されていた僕は、身動きが取れなかった。いや取れないというよりもあまりにもそのフィット感に驚いていた。まるで、空中に浮かんでいるような、そんな気分がし…

真っ白なベッド

題名:真っ白なベッド報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 その部屋に入ると異様な雰囲気に包まれた。ダオッコ博士の特別の秘密の部屋とでも言うべき魅力に満ち溢れ、部屋の中央には真っ白なベッド、そしてそれを囲むように奇妙な形状をした機…

その一心

題名:その一心報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 提案した時、ダオッコ博士は難色を示した。それも当たり前だ。Moon Townに限らず、地球でも個人の記憶を勝手に操作することに対しては、厳重に戒められている。場合によっては法律でかなりの…

データに付与する

題名:データに付与する報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ダオッコ博士:「ツキオくん、じゃぁ、そこに座って…」 ダン・ダオッコ博士の研究室に訪れたのは久しぶりだった。前回は、1年前ほどだったろうか。その時は、Moon人の捜査に関わるDN…

ダオッコ博士に

題名:ダオッコ博士に報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 キーコがこの世を去ってから、月の世界を去ってから、彼女はどこに行ったのか未だに分からなかった。月の世界のどこか遠くにまで闇の中、独りで足を運んで、そこで制服(宇宙服)を脱…

その肢体

題名:その肢体報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕もキーコも第3世代のMoon人だった。200年前にフランコ・ハバド氏による新新時代のノアの箱舟が実行され、牛(ぎゅう)、豚、ニワトリなどの動物、麦や米などの植物、そしてわずかの昆虫を…