地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

同調する

題名:同調する報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 何かが不安定で崩れている。それが何かは分からなかった。でも、崩れている。決して、文字自体が下手なわけじゃない。むしろ僕よりも数段と上手だ。でも、文字にあるそれは、何か、何かが、…

何かが不安定で崩れている。

題名:何かが不安定で崩れている。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 地下鉄に乗りながら、ふと妻の顔を詳細に思い出した。電車外では、次々と壁に書かれた広告が変わってゆく。見上げると、電車内の広告も変わっていた。いつまでもそこには…

僕を理解している。

題名:僕を理解している。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 (でも、営業のあなたと受付のその子と、仕事で話し合うことなんてあるの? そんなのおかしいじゃない? 結局ダリオくん、好きなんでしょ、その子のこと…) 妻に正直に告白した。…

カーボデペニャスあるいは

題名:カーボデペニャスあるいは報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕が消えてこの世から去ろうとしたその日が、僕にとってクミちゃんとの初めてデートの夜だった。僕には妻もいる。だから、これをデートといっていいのか…。後で、そう自問自…

二人だけの合図

題名:二人だけの合図報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そこで死んでいたんだ。僕は…。あの時、入水していたら…。「ごめんごめん、仕事遅くなっちゃって…」。妻が病室に入ってきた。「買ってきたわよ」。渡されたレジ袋の中を確認すると、そ…

そこで死んでいたんだ。

題名:そこで死んでいたんだ。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 出張先からの帰り道、電車のホームで橋の上で、様々な場所で誘惑にかられそうになった。線路からDead Manが手招きをし、川面からはDead Manがこちらをじっと眺めていた。 くそ…

クミちゃん

題名:クミちゃん報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 妻に忠実でなくてはならないという意味。可もなく不可もなく、それでいてオートマティックなDead Man。ただ時には、その意味も一晩で劇的に変化することもある。取るに足らないわら一本で…

可もなく不可もなく

題名:可もなく不可もなく報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ここで僕は、看護師さんに聞く。「ダリオ・アルジェントの代表作を述べよ」。と、突撃したいところではあった。かといって、僕のオヤジが好きだった映画監督なんて僕自身は、それ…

ストローな気分

題名:ストローな気分報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 そのまましばらく妻としゃべりながら、「ふぁいねけん、にみふぁい」と伝えた。「だめでしょ、今は」と妻にいわれたが、「しゅとろーで、ちゅちゅうとゆっくりのむひゃら」と伝えた。…

針ポッたな魔法使い

題名:針ポッたな魔法使い報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 獣が銃を放つなら、彼は、銃を放たなかった彼、くっくどぅーどるどぅは、獣ではなかったのだろうか。そこに僕に対する彼なりの配慮があったのだろうか…? 何も分からないまま僕は…