題名:タコでタコを釣る
報告者:トシ
タコ釣りをしたことのある人ならよく知っているであろうタコの習性について、ここでは考えたい。タコはもちろん海にいるあのタコである。空に浮かぶ凧ではなく、ましてやこの記事に示したタコ型宇宙人でもない。ちなみに、日本近海で知られているタコは、10科20属55種とされる1)。その中でもメジャーなのはマダコ、ミズダコ、イイダコであろうか。食材としてのタコは、たこ焼きに入っているのがマダコとなり、正月の酢ダコはミズダコが多いとされる1)。
沖の仕掛けでいえば、タコ採りはタコつぼが用いられる。それはタコの習性である、
・暗くて狭い所に入る
のを利用している2)。その他のタコ採りは、かご内に餌を入れたものもあるが、餌がなくとも採れるのがタコつぼ漁の特徴でもある。しかしながら、防波堤、あるいは、砂浜からつり竿にて行うタコ釣りでは、タコつぼを用いることができない。そこで登場するのが、疑似餌である。タコ釣りでの疑似餌は古くからタコテンヤというものがあり、それを図1に示す。実際は板の上に魚を置くのであるが、それはタコの餌というよりも、光ものとしての存在である。例えば、アジ・サバ・イワシ等の青物はもとより、らっきょうやキャンディでも釣れる3)。
図1 タコテンヤ3)
近年では、このテンヤをアレンジして、光りものを付けなくても釣れる疑似餌が市販されており、それを図2に示す。一見して分かるように先のテンヤを改良し、重りと針を一体化して、さらに上からタコのガワをかぶせたものとなる。これは釣り具のYAMASHITAの商品で、そのネーミングも「タコ好きやねん」になる。これを海に放り投げ、引っ張ることでタコが掛かる。まさにタコでタコを釣るとなる。なぜこれでタコが釣れるかというと、これまたタコの習性に、
・落ちてくるものに反応する
・動いているものに興味を持ち、動きが止まった時に抱きつく
があるからである5)。そのため、先ほどのテンヤにカニのおもちゃを付けても釣れる6)。暗くて狭い所が好きなのに、意外と光りものと動きものにも興味しんしんのタコである。
図2 タコ好きやねん4)
1) http://www.geocities.co.jp/AnimalPark/2414/salt/takoclub1.html (閲覧2016.12.21)
2) http://www.uotono.com/yomoyama/1581.html (閲覧2016.12.21)
3) http://www.crazy-fishing.com/ja/海釣り/意外と身近なタコと対決!/ (閲覧2016.12.21)
4) https://www.amazon.co.jp/ヤマシタ-YAMASHITA-タコ好きやねん-レッド-TSSR/dp/B000AQQWZQ/ (閲覧2016.12.21)
5) http://xn--nbk4d9ax467e.com/seitai.html (閲覧2016.12.21)
6) http://fishing.southgatejapan.com/?p=1773 (閲覧2016.12.21)
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