地底たる謎の研究室

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重さの単位からお肉の単位へ



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:重さの単位からお肉の単位へ
報告者:ちょろりん

 重さの単位には、一般的にはg(グラム)が基本となる。ただし、g(グラム)は、正確には質量の単位であり、国際単位系(SI)においては、キログラム(kg)の1000分の1の質量と定義されている1)。しかしながら、海外ではg(グラム)以外にも多くの単位を見ることができる。そのひとつがlb(ポンド)であろう。
 ここで間違えやすいのが、重さ、重量、質量の違いである。これらについては、文献2)に詳しく記載されているが、物理の学術用語法と経産省・用語法で見識が異なり、それによって現在でも誤解が生じている。物理の学術用語法としては、重さも重量も単位はkgw、kg重が基本となり、実際は力を表している。しかしながら、経産省・用語法では重さも重量も単位がkgであり、実際は質量を表している。質量は地球上、月面、無重力空間を問わず「もともとの量」を示し、これが質量となるが3)、地球上では物に引力が常に働くために、結局は物に力が生じていることとなる。それが、重さ・重量となるわけである。そのため、文献4)にもあるように、大根ひとつとっても、

「大根の重さ、重量:3kg」→「大根の重さ、重量:3kg重」

が本来は正解となる。この辺が、日本語のややこしさを表現しているのかもしれない。一方、前述したlb(ポンド)には、lb重なる単位はない。そのために、lbは重さ・重量の単位と見なしてもよいであろう。そもそもlbの語源は、ラテン語で重さを意味している5)。
 なぜ、海外にはkgではなく、lbとの単位が残っているのか? これについては文献6)にもあるように、歴史的にもlbは古く、メソポタミア地方で麦の重さからlbが定められ、人間が1日に消費する食糧としての単位(1lbの製粉によって焼かれたパンが1日分の主食量に相当する)がlbであったことも要因として挙げられるであろう。日本では国際単位系(SI)が導入される前は、貫(かん)が重さの単位とされていたが5)、導入とともに消滅した単位でもある。
 それでは、1lbははたして何kg重(kg)に相当するのか? 約453g重(g)である6)。単純に1/2kg重と想定すると、1kg重バーベルの約半分の重さである。相当に重い。それをお肉で見ると、図のようになる。これはカナダビーフ館の「1ポンドステーキ」であるが…



図 1ポンドステーキ7)

 お肉重、お肉でジュウジュウ、うひょー、すゅてきーなシュテーキ、まさにジュテーム…



1) https://ja.wikipedia.org/wiki/グラム (閲覧2017.3.8)
2) http://sciwood.com/weightmass/なぜ起きる、「重さ・重量・質量」の混/ (閲覧2017.3.8)
3) http://www.buturigaku.net/main01/MassWeight/MassWeight02.html (閲覧2017.3.8)
4) http://sciwood.com/weightmass/6/ (閲覧2017.3.8)
5) http://sciencewindow.jst.go.jp/html/sw34/sp-003 (閲覧2017.3.8)
6) https://ja.wikipedia.org/wiki/ポンド_(質量) (閲覧2017.3.8)
7) http://item.rakuten.co.jp/motonland/10000042/ (閲覧2017.3.8)

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