地底たる謎の研究室

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「リカちゃん人形が少女達にどのように受け入れられてきたのか」をとりあえず記述する試み


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題名:「リカちゃん人形が少女達にどのように受け入れられてきたのか」をとりあえず記述する試み
報告者:エコノ

 文献1)を読むと、論文の書き方の指南として、論文は何かある特定の主題について書かれたものであり、問題設定が必須となる。その問題設定として、文献1)には、「リカちゃん人形が少女達にどのように受け入れられてきたのか」でもよいとされている。そこで本記事では、これをとりあえず試みたい。
 リカちゃん人形は1967年に玩具メーカーである「タカラ」から発売され、昨年は50周年を迎えた人形でもある2)。すなわち、未だ若くとも(図に、現在発売しているスタンダードな「だいすきリカちゃん ギフトセット」を示す。確かに若く、1967年当初のリカちゃんの年齢設定は小学校5年生、11歳だったとされる2))、リカちゃん自体は2018年時点で51歳であり、もし仮に1967年に生まれの方で、リカちゃんを誕生プレゼントとして与えられた当時幼女(現在は女性)の方であれば、その方は今では51歳になる。その歴史の長さは、一概にただの人形である、と済ますことが出来ない人形文化でもあろう。



図 リカちゃん人形3)

 リカちゃん人形の歴史的な研究をもしている増渕宗一博士2)によれば、リカちゃん人形は、それよりも先行していたアメリカのバービー人形と比較して身長も低く(バービー人形: 29cm、リカちゃん人形: 21cm)、小さく、スリムであることを特徴とし、日本の少女たちの手に馴染むものであった。そのことから、「かわいらしい」という感性価値が実現された人形であることも指摘されている2)。案外、日本の女性による「かわいい」という言い方は、このあたりから始まっているのかもしれない。さらに、リカちゃん人形には着せ替えというファッションだけではなく、売り出し後の早い段階から家族設定があったとされる。それを「リカちゃんのひみつ」として添付のパンフレットにも明記されており、「おとうさん・フランス人、おかあさん・日本人、中略、べんきょう・あまりできない、なやみ・フランスにわたった父がわからない」とされ2)、現在では、リカちゃんの本名:香山リカ、ママ:織江、パパ:ピエールという設定があるものの、そこにはすでに家族が始まっていたことが報告されている。この家族設定が、タカラの意図によるものかは明確には判断できなかったが、そのことによってリカちゃんの背景には、大きな広がりを持つことに至った。
 現在では、リカちゃんのパパ、ママだけでなく、リカちゃんの妹、友達、ボーイフレンドなど多岐にわたるアイテム(人脈)をリカちゃんは有していることが、タカラのHP4)からも見てとれる。そして、そこには、幼少期において、人形を介しての自己認識・他者認識能力を獲得するだけではなく、幼女が年齢を経るとともに、リカちゃん以外のアイテム(人脈)から他者との関係性構築能力・社会性の獲得をも知らず知らずに促されることが了解できる5)。ここでは、先の家族設定をも越えた広い視野での人形的社会参加の意識が芽生ることに間違いないであろう。また、少女時代では着せ替えというファッションを通して、リカちゃんに投影しているであろう少女としてのなりたい自分像の獲得も得られる5)。その行為は、母親にとっても安心感を与える人形ともなり、リカちゃん人形は、母子をつなぐ”ハブ”的な存在でもあることも、文献5)では示唆されている。

1) http://taniac.biwako.shiga-u.ac.jp/seminar/Bunsho/Document/-知の技法.pdf (閲覧2018.10.18)
2) https://www.jske.org/jske/wp-content/uploads/2017/08/jske18_special_lecture_180826.pdf (閲覧2018.10.18)
3) https://www.takaratomy.co.jp/products/lineup/detail/licca883296.html (閲覧2018.10.18)
4) https://licca.takaratomy.co.jp/products/doll/index.html (閲覧2018.10.18)
5) https://www.takaratomy.co.jp/product_release/pdf/p120808.pdf (閲覧2018.10.18)

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