地底たる謎の研究室

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アイデンティファイを巡るクラインの壺からの神秘 Ⅰ



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:アイデンティファイを巡るクラインの壺からの神秘 Ⅰ
報告者:ダレナン

 本記事は、この記事の続きです。

 先の記事にて「生きる意味を「それだけが、生きる意味なんだ」で邂逅スル ver 1.1.1」として、それまでにversionを重ねて検討してきた。それは、ver1.1.1でもって、筆者的には一端、完成したとも言える。いわばβ版のリリースが終了し、次のブラッシュアップ(ファームアップ)版へと移り変わる位置づけとして、本記事を記述したい。そのため、表題をそれまでのversionとしてではなく、新たな検討への次元として、基本的には先の記事の続きであるとするも、読者の方は、新たに読み直してもらうことでも構わない。むしろ、そのほうが筆者としてはこの上ない喜びでもある。
 先の記事では、言語と内的な心像(表象)や概念との関連性、および、その意味的連続体による写像として文献1)に基づいて、明確な回答が得られた。そして、トポロジー的に問えば、近傍の意味の収束が全体集合の極限点に収束して発生することで「私」が発現し、その内的世界における思考空間は、無限次元で展開するトポロジーの世界に他ならない1)。すなわち、「私」という存在を介して、内的にはトポロジーが生じている。一方で、外的な存在として身体を問うと、ここの記事に示したように、口から食道、胃、小腸、大腸へと導かれる人体は、そもそもトーラスΣ1に他ならない。すなわち、人間は、内的にも、外的にも、トポロジーによって表現できようか。
 ここで、トポロジーにとって重要な考えが、同一視(アイデンティファイ)である。それについては、先の記事では詳しくは触れてはいなかったが、詳細に説明することでこの後の展開がスムーズになる。そこで、文献2)でももって、それを説明したい。
 川久保勝夫博士2)によれば、トポロジーにおける考えにおいて、アイデンティファイすることで、その様相がよく理解できる。図右の上のように短冊があるとして、その矢印の方向が合うように張り合わせる。まず図右の中央の円筒ができる。さらに貼り合わせると、トーラス(ドーナツ)なるためには、矢印の方向が異なることから、一概に張り合わせることができない。そこで解決として左図にあるように、穴をあけ、穴に通し、小さい口と大きく口を張り合わせることで、これが達成できる。



図 トポロジーによるクラインの壺2)

穴をあけたのでは正確に作った図形とは言えないが三次元空間ではなく、四次元空間を考えると、いとも簡単に通過できる2)。この出来上がった図が、クラインの壺と言われるものになる。トーラスΣ1ならそのまま矢印に従ってアイデンティファイすれば完成できるが、クラインの壺のように矢印の方向が異なっても、トポロジー的には空間が作りだせる。
 と、ここで、ディスプレイ面が尽きたのでⅡに移りたい。




1) 佐野愛: 意識と意味と位相空間. ブイツーソリューション. 2014.
2) 川久保勝夫: トポロジーの発想 ○と△を同じと見ると何が見えるか. 講談社. 1995.

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