題名:いつも列車の中に、忘れ物を落としたままで
報告者:ダレナン
本記事は、この記事の続きです。
いくつもいくつも色が塗り重ねられ、世間というオブラートにくるまれ、そうして、真実を見出せなくなる。そこに、本当の気持ちはなく、真に迫る現実はなく、いつも、ベールに包まれているように、本音を隠しつつ、そうして、その生きざまは、己の本心なのかと問う。でも、その答えは十分に分かっている。そんなわきゃーない、とは、タモリさんのセリフでもあるが、まさしく、本音で自分自身を問うと「そんなわきゃーない」となる。社会性を保つために、ベールを纏っても、その路線に乗られるが如く、列車は走り続け、やがて終着駅へと到達する。その時、プラットフォームに降り立って、必ず、こう、ささやくのだ。「えっ、ここ、終着駅なの。こんなはずは…」。しかも、列車の中に忘れた、その忘れ物は、一向に落し物のコーナーにはなく、問い合わせても、「いやー、ありませんねー。ピンク色のシャツ(この記事)なら、ありますけど」と言われる。
乗る列車を間違えたのか。あれっ、何の忘れ物だったっけ。
時刻表とにらめっこし、計画された路線でうまく巡行したはずなのに、こころに何故かむなしさが宿る。もちろん駅員さんに問うても、最終列車はすでに闇の中。「始発まで待つしかありませんね」と回答され、宿もないままに、駅に泊まる。駅にあるベンチは何故か温かい。忘れたひと時を思い出してくれる。そうして、眠りにつき、不思議と思い出す。過去の自分を。戻らない過去を連呼しても、針は逆に進むことなく、一定の時を刻み、夜が明ける。夜明けとともに、目の前にはいるはずのないあなたが見える(図)。きっと、僕は忘れていたのだ。あなたとの、かけがえのない約束を、もう二度と戻れない時を。
It's over, it's overと連呼し、その気持ちがあらわとなる。まさしく、Always Neverとして、It's Over2)となる。
どうして、どうして、いくつもの選択があったはずなのに、いつも同じ洗濯機で選択してしまい、その洗濯機の乾燥の程度は、渇きは、いつも半渇きなのに、いつもその洗濯機を使って、また、後悔する。
図 約束1)
そうだ。僕が必要とする洗濯機は、あなたという大容量の、洗浄力の強い、“買い”はこれ!! 3)だったはずなのに。どこで、メーカーを間違えたのだろうか。
そうして、駅ではっきりと目が覚める。駅員さんに、「朝ですよ」と起こされた。そうして、「もうすぐ、始発が来ますよ」と促される。でも、その始発に乗っても、すでに、あなたとの夢見た路線は、もはやそこにはない。二度と戻れない時をオーライと連呼しても、あなたとのかけがえのない約束は守れないのかもしれない。
いつも列車の中に、その忘れ物を落としたままで。
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2) https://www.youtube.com/watch?v=rHSRVq15u7k (閲覧2019.6.6)
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