題名:電話越しでもそれが分かった。
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
朝になってまたもや口元から赤紫色した液体の芳香がした。妙な夢を見た夜(この物語)は、いつもこうだった。そうして、その時は、なぜか不思議と精神的な高まりを覚えた(なんなのだろうか、この感じは…)。その時、電話が鳴り響いた。受話器を取ると叔母さんからであった。
「Eiigoちゃん。イギリスにすぐに帰ってきなさい。ラーメン作りとかなんとかよりも、このままじゃ、いずれ大変なことになりますよ…」
電話中、テレビからまたもや騒がれているあの事件について、報道されていた。そう、首筋を噛まれた女性の殺害事件。
「昨日、またもや女性の殺害がありました。今回は4人もの被害者が出ました。その手口は、ここ最近、○○市で起きている女性の殺害事件と同じく、何者かに首筋を噛まれているものです。警察では、凶悪な犯人が、○○市に潜んでいるものとして、早急に犯人を逮捕すべく、捜査員を増員して犯人の手がかりを探っています。また、唯一、犯人を見ているとされる女優の山本美月さん(図)から、犯人の特徴を聴きだしました。山本美月さんはその時のショックから記憶が部分的に失われているようでしたが、山本さんによれば、犯人の特徴は背が高い外人風の男性であることも判明しています。以上、○○市のニュースを報道しました」
電話越しで、叔母さんもそのニュースを聞いていたようだった。
「Eiigoちゃん。もしかして、もしかすると、今、口元から赤紫色した液体が流れている感じがする?」
図 山本美月さん1)
「うん。そうなんだけど…、いつもこの手のニュースの時に…、
がちゃん。プーップップウー。叔母さんは、電話を切った(えっ?)。そこで、再び叔母さんに電話をした。叔母さんは、受話器は取ってくれるも、一向に話してはくれない。以前から、Gaeele家にとって重大な何かがあると、叔母は決まって黙り込む。いつもそうだった。そして、その時の叔母の表情は、豹変していることが多かった。たぶん、今、そうなっている。電話越しでもその様子が分かった。
1) https://www.pinterest.jp/pin/671810469391519193/ (閲覧2019.12.30)
From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。