題名:優雅な白鳥、もがくバタ足
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
晴美:「ここ座ってもいい?」
琉花:「うん、いいよ」
そうして晴美さんは僕らのテーブルに同席した。そして、コーヒーを注文し、「よくここに来るの?」と僕に質問した。
「いいや、初めてなんだ。僕は普段は缶コーヒーで済ましているけど、琉花がしじみの選別も手伝ってくれたので、そのお礼もあって…」
なんだか晴美さんと話をすると、妙に緊張する。どうしても晴美さんからの香りに翻弄されるのだ。今日はいい天気。東郷湖の湖面も穏やか。ふと窓の外に目をやると、優雅に白鳥も泳いでいる(図)。でも、僕のこころは、荒れた天気のように、白鳥の足元のようにバタバタともがくバタ足のごとく乱れていた。
図 窓からの景色1)
琉花:「カツオくん。どうしたの? ちょっと顔が蒼いけれども…」
晴美:「きっと、昨日、飲みすぎたせいなんじゃない…、ねっ、カツオくん♡」
「そっ、そうかもしれない…」
晴美さんのそのセリフの語尾には、なにか暗示めいた記号が隠されていたように思えた。いや暗示ではない。明示だ。チョコレートは明治に限る。そんなハートマークな気がした。
「そっ、そうだ。この店、ケーキもあるから、それも頼もうか…」
琉花、晴美:「ありがとう」
晴美:「カツオくんって、やさしいなぁ…♡、いいな~琉花」
1) http://hakusen-store.site/ (閲覧2020.2.3)
From ここから。© 2015 This is 地底たる謎の研究室 version。