地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

分かりにくい味つけ



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:分かりにくい味つけ
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 「小指の祈りでもええよ」
 Moon人はそう言った。最初は小指の祈り、何のこと…、と思った。小指の祈りぃ~やったるで~、若干、謎の歌を歌いながら、Moon人が再びテーブル裏のボタンを押した。その時、テーブルからにょきッと出てきたものにぞっとした。小型のギロチン台。まさしくギロチン台の小型のものだった。

Moon人:「さっ、そこの穴に小指を入れて、わいが紐を引っ張るでな」
僕:「こ、こ、これって…」
「そうや、あれやで。君、はよ、置かんかい、そこの穴に小指やー」

Moon人の威圧で、僕は入れたくないのに、何かに操られるようにその穴に小指を入れざるをえなかった。Moon人が紐を引っ張った。がーっっと音がした、ぎゃーーー、かと思うと、
「お支払い、ありがとうございます。指紋が認証され、あなたの口座から100万円の、お布施をいただきました」と音声が流れた。なんだ…お布施システムか…。ひ、ひ、百万円もするの…。

Moon人:「ちゃんと課金してくれたな。これで袋とじ計画に魅せられるでー」

 しばらくすると、テーブル上のディスプレイにくねくねと肢体、あはーん。くねくね踊りながら、やがてカモーンと誘い「今から袋とじ、あはーんと開くわよ~」とアナウンス。そうして、袋とじが、開・い・た。
 開封された先には、ハバド氏らしき人物の動画が現れた。テロップ。そこには、”スペースZ社バージョン5のフランコ・ハバド”と書かれてある。彼が、ハバド氏。蓄えた髭に、鋭い眼光。ただ者ではない。

ハバド氏:「オドロクスキー氏の初期を代表する3部作のうち、最初の2作は、その詩的なイメージに加え、プロットもかなり難解で、何回ももよおす。そうして、謎を解き明かしたくなる。Creatorとなれないちみ。ちみはただのAnalyzer。そう、あんパンは、周りのパン素地がオドロクスキー氏で、その中身のあんこは、甘いのか、しょっぱいのか、その塩梅に、八重桜の塩づけでもって分かりにくい味つけがされている、と。しかし、残りの1作は、周りのパン素地は同様オドロクスキー氏であるも、イタリアのクラウド・アルチェパンのおかげか、はたまたオドロクスキー氏が「はじめて観客のために制作した」ためか、その中のあんこはおどろくほど甘い味付けであり、一度食べるだけでも、これあんパン、と理解。この経験は、ちみには、珍しいことだったろう。まるで、シー、ウェア、ブルーベルベットのように、草むらに潜んでいる耳のようだな。ただ、ランチ氏は、真っ黒カエルの、カエル・マックラを月の世界の砂の惑星化から主役にし、その後、いい具合に開花する。あるいは、イザベッラ・ロッセレイの命令でもって、我々はデーニス・ポッピーに火をつけることに成功した、とも言える。それが、新新時代のノアの箱舟。その計画は、パクリゆえに口外できず、デューン計画の極秘として進めることにしたい。いいか、ちみ。ここに話す内容は、絶対に口外するな」

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