題名:大欲情
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
想いがJoeと溢れ、僕は温泉の豊かさに何とも言えない心地よさを感じていた。これこそが、温泉の醍醐味。伊香保の泉質が肌からしどしどとしみ込むように、僕の心は、躍り出していた。
Tonight, ooh-ooh, there’s no holding you back, baby
I know you like, the mood, so go give it up, baby
その踊りはまさにRINIかなったBedtime Storyのようだった。このフレーズは以前、どこかで使ったような、それでRINIかなった、であったとしても、このBedtime Storyには、僕は愛も変わらず、feel so goodだった。何度も何度も、そして何度も使ってもいいだろう。一度使ったから使えない。そんな器量の狭いことはこの際、どうでもよかった。いいものは、いいんだ。ずっと自分の中で永遠に変わらない。それはクミちゃんへの愛と全く同じだった。好きなんだ。大好きなんだ。クミちゃんが…。
実は、Bedtime StoryはOfficialでもう一本ある。Damn。両方とも最高だぜ。Baby。
風呂上がりに、ストーリーの主題でもあったハイネケンではなく、Pabst Blue Ribbonをしたためながら、このテキトーな流れに若干の罪悪感を感じつつ、これもええなーとの思いに駆られ始めていた。
黄金の湯を堪能し、僕は温泉から上がった。脱衣室にある鏡を見ながら、再びその僕が見たその自身の表情には、さっきの部屋と同じように、この上ない充実感があふれていた。湯の量は豊富で、湯船からコンコンとあふれ出すお湯のように、充実感が僕の顔からあふれていた。
この時、僕は思った。嘘の愛はお金で買えて、そのお金は仕事で稼げるけれども、真の愛はお金では買えないことに。仕事って何だろうか。嘘の愛を買うためだけの、飼うなのか。飼う。Cow。モーモーなのか、僕は。家畜なのだろうか。金の家畜なのだろうかと。僕は、いずれ切り刻まれ、店頭に並び、消耗されるだけに生まれてきた”種”なんだろうか。そうでは、ないんじゃないか…。そうでは…。僕は、牛肉でも、豚肉でも、鶏肉でもない。そう思った瞬間、脱衣室の奥でくっくどぅーどるどぅが泣いているような気がした。
「ぼきゅは、くっくどぅーどるどぅとしか、なきぇない。こけっkkっここ-となけないんだ」
「じゃって、みてほしん。そこには、kkがふたちゅある、じゃろ?」
「だきゃら、じゃろってなんじゃろ、ってにゃるんだ、にゃるんだよ。こーこくのように」
大浴場から上がって、部屋に向かう最中、僕は大欲情していた。本心から言えば、僕はクミちゃんと寝たい、だけな訳ではなかった。僕はクミちゃんと結ばれたかっただけだった。それは、体だけでなく、心からだった。でも、僕は恥ずかしいことに生理的に言い知れないぐらいに欲情していた。僕は、クミちゃんと結ばれたかった。僕は、そのことがばれないように部屋に戻った。
部屋には、浴衣を着た、どうしようもないぐらいに愛おしいクミちゃんが、そこに、居た。クミちゃんは、その僕の欲情を感じるまでもなく、僕に振り返りざまに、「どうだった。温泉?」と説いた。
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