題名:深い眠りの中に
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
僕はスマホの内部から外部のわたしに向かって手力を発揮した。それは、間違いなく僕はMr.マリックしたとも言える状態だった。ただ果たして、この程度の手力が、そもそも手力があるのかないのかも分からず、本当に、わたしに、何かが届くのか…。スプーン曲げができるのか。そうしてその僕の手力的な意志が外部のわたしに届かなければ、機種変でもって僕とりどるの存在が危うくなる。りどるは、その状態を知ってか知らずか、再びに”またたびシュ”に手と口を染めていた。先ほど急に見られた真顔はすでになく、明らかにほろ酔い状態で、千鳥足で若干ヘロヘロになっていた。
りどる:「えないちゃん、おあいそだにゃん~、うひぃ」
エナイ:「はい」
そうしてりどるはエナイさんに勘定した後、りどるは「ちみちみ、いくにゃ~ん~、つぎのとこ、いくでにゃ~ん~」と上機嫌だった。秘密倶楽部にゃんこたろう?を出て、エナイさんが後ろで「りどる様、また来てくださいね」と告げると、りどるは軽快に「にゃおーん」と答えた。
電流スピナーまで戻り、りどるが電流スピナー内に入った。窓から「ちみちみ、はよこんかーいい」と、ハイテンショーンに僕を誘い、電流スピナー内に乗るよう伝えた。その雰囲気から、りどるは相当に酔ってるんじゃないの? 運転できるの? と心配になった。乗った後にそのことを告げると、「だいじょーぶだにゃん、じどううんてんにかえただにゃ~ん」といって、ディスプレイのオートのボタンを押した。
電流スピナーは、りどるが操縦かんを握ることなく軽やかに浮上した。そしてディスプレイには次の目的にまでの進路が映し出されていた(図)。拡大されると進路の先にSnapdragonが映し出されていた。「りどる様、Snapdragon中央国家集権まであと30分です」と、ディスプレイを介して彼あるいは彼女はそう告げた。
「ちみちみ、あとさんじっぷんだにゃ~ん、こんでんさーがいで、ずいぶんとながいした、にゃ~ん。いま、ええ、きぶん、だにゃ~ん…..ZZZZ」
見るとりどるはそのままシートに深く腰掛け寝込んでいた。ぐわぐわといびきをかき、随分と心地よさそうだった。鼻からはちょうちんが見えた。僕も深く息を吸い込んで、シートに深く腰かけた。思いのほかシートの座りが心地よいことに気づいた。それは、僕の”またたびシュ”による影響なのだろうか、それともエナイさんから受けた呪術のせいなのだろうか。僕は、少しずつ意識を失い、気がつく(つかないが)と深い眠りの中に居た。
図 進路1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/164592561357187904/ (閲覧2021.4.26)
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