地底たる謎の研究室

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火星から来た男を探せ



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:火星から来た男を探せ
報告者:トシ

 現在の地球には他の星から来た人はいない。しかしながら、いる可能性も完全な0%ではない。なぜなら、人の存在自体が科学的には十分に立証されていない上に、科学的サンプルの対象となる人以外の人の中に本当は他の星から来た人がいる可能性も十分に考えられるからである。
 地球上の人として存在しているものは、学術的にはホモ・サピエンスと言われる。ホモとは「人」、サピエンスとは「知恵のある」という意味であり、ホモ・サピエンスは「知恵のある人」となる。このホモ・サピエンスの親戚にあたるホモ・ネアンデルターレンシス、いわゆるネアンデルタール人はすでに地球上からいなくなったとされるが、ホモ・サピエンスとホモ・ネアンデルターレンシスの交雑についても、依然として真実は謎のままである1)。この判然としない状況から、実はどこかにホモ・ネアンデルターレンシスもホモ・サピエンスの中に、あるいは、ホモ・サピエンスと完全に一致するホモ・ネアンデルターレンシスが近くにいたと仮定したら、その仮定ははたして検証できるのであろうか。同じように地球にホモ・サピエンスとまったく一致する火星人がいたとしたら、その検証もままならない。
 昔からの各種のメディアにおいて火星人はおおよそ図のようであった。この想像は何をヒントに得たかは分からないが、きっと、タコであろう。西欧諸国では、タコは「悪魔の魚(devilfish)」とされ2)、そのイメージから生まれたのかもしれない。そのタコ型火星人は、1897年にイギリスのSF作家、H・G・ウェルズが発表した「宇宙戦争」に原型を求めることができる3)。そこまでは、火星人はタコ型ではなかったのであろう。これが仮にタコ型ではなく、人型であったら、「宇宙戦争」は面白くなかっただろう。しかしながら、人型ではないにせよ、プリンストン大学のJ・L・カーシュビンク博士やMIT、ハーバード大学の名だたる科学者が生命の起源は火星にあると仮説を立てている4,5)。それは、「生命誕生には高分子な物質が自然発生する環境が必要であり、40億年前に誕生した地球はそのような環境にはなかった」こと、「太陽系の始まりにおける地球と火星の気候は今よりずっと近く、火星からの隕石に微生物が混入していた」ことを理由として挙げている。

kaseijin

図 火星人

 H・G・ウェルズの「宇宙戦争」は人型ではなく、タコ型宇宙人であったが、実際の宇宙人は、ただの微生物だったとすると、その進化した形としてホモ・サピエンスがありうる。すなわち、我々は、ある意味地球で育った火星人かもしれない。

1) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78680150R21C14A0000000/ (閲覧2015.8.27)
2) http://ejje.weblio.jp/content/devilfish (閲覧2015.8.27)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/火星人 (閲覧2015.8.27)
4) http://web.gps.caltech.edu/~jkirschvink/kirschvink.html (閲覧2015.8.27)
5) http://news.mit.edu/2011/martian-0323 (閲覧2015.8.27)

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