地底たる謎の研究室

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生命体N-1157の次元


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題名:生命体N-1157の次元
報告者:ダレナン

 「博士。ついに成功したようです。」

助手のジオニーがロドニー博士にこう告げた。

「ふむ。いい感じじゃ。」

博士の目の前にある立体モニターには、クッキリと現実世界が映し出されていた。その横にはポコポコと泡を立てて、特別な液体の中に浸された脳らしき組織が見えた。その液体の入ったタンクの表には、”生命体N-1157”と書かれていた。

「生命体N-1157は、どうやら視覚も、聴覚も、嗅覚などの五感もちゃんと働いているようじゃな。しかも、その他の運動の感覚や内臓の感覚といったいわゆる人の全ての感覚が機能しているようだ。立体モニターの現実世界は、生命体N-1157にとっては超現実に見えているであろう。実験は大成功じゃ。」

ロドニー博士は満足そうに頷いていた。かれこれ実験してから20年は経過したが、脳に超現実を与えるという命題は非常に困難を極めた。人は身体があって初めて人となるが、ロドニー博士曰く、脳への正しい感覚を、次元を超えて入力させることで、あたかも身体を含む全てがあるように脳は再認識するらしい。

「博士。これを見てください。」

立体モニターには建物が映し出されていた。何の建物かは分からないが、生命体N-1157はその中に入っていく様子であった。すると、その後、建物のとある部屋まで進み、部屋にあるデスクに座った。そして、デスクの傍らにある何かの機器の電源らしきボタンを入れる様子が確認できた。

「博士。これは何ですか?」

「これか…。これは、確か500年前に使用されていたパソコンと呼ばれた旧式のコンピューター…、いやもしかして、スマートフォンと呼ばれた機器かもしれん。もはや考古学の領域で研究されている随分と古い機器なので、わしも使ったことがないが…。おっと、その機器に接続されているモニターを介して、生命体N-1157は何かを見ているようだな…。」

助手のジオニーが目を凝らしてみると、立体モニター内のモニターにはかつて流行ったブラウザらしきアプリケーションを介して、そこには文字が書かれているのが見えた。

「題名:生命体N-1157の次元 報告者:ダレナン 「博士。ついに成功したようです。」 助手のジオニー…

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