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オーディオメーカーMcIntoshにおける回路設計の特徴



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:オーディオメーカーMcIntoshにおける回路設計の特徴
報告者:ログ

 本記事は、この記事の続きです。

 先の記事で部品一つ一つから電子回路を創り上げるディスクリート回路が、次第に集積化された回路の流れとなったことについて述べた。そのため、現在でディスクリート回路が使われるのは、オーディオなどの特殊な分野だけになったことについても触れた。ここでは、奇しくも日本語では同じカナ文字となるAppleのMacintoshではなく、オーディオメーカーの老舗でもあるMcIntoshの製品から、McIntosh回路の特徴についてまとめたい。
 オーディオ史にとっても、また、McIntoshの製品としても名機と言われるものにパワーアンプのMcIntoshのMC275がある1)。これは1961年に販売された真空管のステレオパワーアンプであるが、1995年に限定でレプリカ2)が販売され、今でもリニューアルのMC275Ⅵが販売されるほど人気の高いアンプである。片方のチャンネルの出力が75Wで、ステレオであることから2が付き、型番として275となる3)。出力管はKT88を使用し3), 4)、真空管アンプとしては定番中の定番を使用していることとなる。KT88は真空管と言えども、今でも復刻版が販売されるほど根強い人気がある管であり、オーディオ以外でもエレキギターのアンプ(UberschallのPurple Mod5)など)においても使用され、そちらの方面でも有名な管かもしれない。
 そのMC275では回路設計上の特徴として、Unity-Coupled Circuitがある。図にMcIntoshのUnity-Coupled Circuitを示す。この回路を設計したのは、McIntosh Laborator, Inc.を設立したFrank H. McIntosh氏になるが、Unity-Coupled Circuitは、クロスシャント・プッシュプル回路(2本の真空管の片方を上下逆さにして接続し、逆位相の信号を入力して、プッシュプル動作で出力を得る回路方式7))の一つの形態であり7)、その特徴は、オーバーオールNFBに頼ることなく低い出力インピーダンスを得ることができることに他ならない8)。そのため、出力された音には奥行き感があり、流麗感がある。美的な音とも言い換えることができようか。



図 McIntoshのUnity-Coupled Circuit6)

そのため、AppleのMacも美的なコンピュータであったが、McIntoshもその存在と音の美的なセンスから、オーディオ史において一目置かれるメーカーでもある。



1) http://onkikan.com/mcintosh/ (閲覧2017.6.12)
2) http://www.audiounion.jp/ct/detail/used/57981/ (閲覧2017.6.12)
3) http://www.roger-russell.com/amplif1.htm#mc275 (閲覧2017.6.12)
4) http://www.hifido.co.jp/merumaga/2f/130201/index.html (閲覧2017.6.12)
5) https://www.digimart.net/spcl/drd/fulltube_amphead/ (閲覧2017.6.12)
6) http://www.roger-russell.com/mccontest.htm (閲覧2017.6.12)
7) http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/tech/CSPP/index.htm (閲覧2017.6.12)
8) http://www.someyadenshi.co.jp/HP/item6l6g (閲覧2017.6.12)

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