地底たる謎の研究室

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宇宙際タイヒミューラー理論を理解する前段階における背景



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:宇宙際タイヒミューラー理論を理解する前段階における背景
報告者:ログ

 2017年6月30日に宇宙際タイヒミューラー理論に関する正式な論文1)-4)(*)が公表された。この一連の論文は、数学界の方ならまず知らないであろう今やヒーロー的な存在である京都大学の望月新一博士による論文であることは、周知のことである。望月博士は、一時、かの仮想的な貨幣であるビットコイン5)(**)を考えた人物であるサトシ・ナカモトなる人物ではないかと推測され、そのことで話題となったことも記憶に新しい。
 ビットコインの発明した人物は、今もって憶測の息を超えない6)。しかしながら、宇宙際タイヒミューラー理論に関しては明らかに望月博士の手(正確な意味では、頭脳)による。この理論の優れた点はタイヒミューラー理論を応用した点もあるが、その論文の位置の流れでABC予想を解いたのではないかということもある。ABC予想とは数学の未解決問題の一つで、

a + b = cを満たす、互いに素な自然数の組 (a, b, c) に対し、積 abc の互いに異なる素因数の積を d と表す。このとき、任意の ε > 0 に対して、c > d 1+εを満たす組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しないのか ?

という内容である7)。ただし、望月博士の宇宙際タイヒミューラー理論自体はこれを解くためではないものの、理論的な応用の部分としてABC予想が解かれたとされる8)。ただし、ABC予想の証明の難しさだけでなく、宇宙際タイヒミューラー理論自体も難解で、望月博士自体も20年近くの歳月をかけ単独で研究を行った結果でもあるために8)、これを証明するにはこの先何年もかかるとされる。そのため、望月博士自身曰く9)、

元々は素人でも「一から丁寧に勉強する」ことによって(宇宙際タイヒミューラー)理論に関する深い理解に到達する研究者を、(場合によって相当長い年月を掛けて)少しずつ育成して増やしていく、つまり理論の普及を促進するための努力を、長期にわたり継続していく

ことが最良の方針として宣言している。紀元前500年ほどにおいて最先端の数学の理論であったであろうピタゴラスの定理(この記事も参照)から鑑みると、数学の発展は恐ろしいほど進歩した。

*: http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/から閲覧
**: https://bitcoin.org/から閲覧
1) Mochizuki, S.: Inter-universal Teichmuller Theory I: Construction of Hodge Theaters. (閲覧2017.7.2)
2) Mochizuki, S.: Inter-universal Teichmuller Theory II: Hodge-Arakelov-theoretic Evaluation. (閲覧2017.7.2)
3) Mochizuki, S.: Inter-universal Teichmuller Theory III: Canonical Splittings of the Log-theta-lattice. (閲覧2017.7.2)
4) Mochizuki, S.: Inter-universal Teichmuller Theory IV: Log-volume Computations and Set-theoretic Foundations. (閲覧2017.7.2)
5) Nakamoto, S: Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System. (閲覧2017.7.2)
6) https://en.wikipedia.org/wiki/Bitcoin (閲覧2017.7.2)
7) https://ja.wikipedia.org/wiki/ABC予想 (閲覧2017.7.2)
8) http://wired.jp/special/2016/shinichi-mochizuki/ (閲覧2017.7.2)
9) http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/IUTeich%20Kenshou%20Houkoku%202014-12.pdf (閲覧2017.7.2)

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