地底たる謎の研究室

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分業は公平か? 不公平か?


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題名:分業は公平か? 不公平か?
報告者:ナンカイン

 今この世にいる人々は、過去の人類の歴史の上に成り立っている。科学界においてその歴史の上で成り立っていることを示す有名な言葉としてアイザック・ニュートン候曰く、「巨人の肩の上に立つ」と論じている。その言葉が意味するところは、偉大な先人たちの業績や先行研究などを巨人に喩えて、現在の学術研究の新たな知見や視座、学問の進展といったものもそれらの積み重ねの上に構築され、新しい知の地平線が開かれる1)、とされるが、科学ではなくとも人類は多くの巨人の肩の上に立っていることは間違いない。少なくとも人類の歴史を探れば、その巨人の足元は、人類の母とされるミトコンドリア・イブ(現生人類の最も近い共通女系祖先2))になるかもしれないが、そのミトコンドリア・イブを境に、人類は世界中に羽ばたき、最も反映する種となった。その背景には、人類同士が協力しあう種の特性にある。ここで、マイケル・トマセロ博士によれば3)、人類の背景となる協力行為の共有と言う点でカギとなる2つの特徴が存在する。「わたしたちは(相互知識として)Xを一緒に行う」が一つ、もう一つは、「参加者が連携してそれぞれの役割をこなす」である。その意味で言えば、分業とは人の協力に適った方法で、人類が飛躍した素でもある。しかしながら、成果を求められる仕事(裏を返すと、成果を求められない仕事は今ではほとんどないが)の場合は、この協力の根底をなす分業が曲者となる。仕事の均一性に関しては、台所の排水溝でもって以前の報告書であるNo.51で例示したが、ここでは分業と個人の能力に関連する仕事率、個人の仕事量から得られる総仕事量に関して、4つのパターンから調べ、分業ははたして公平か、不公平かについて考えてみたい。
 分業に伴う4つのパターンを表に示す。

表 分業に伴う4つのパターン



パターン1が個人の能力が均一である理想のパターンで、よくあるのが最終的な仕事量は同じでも個人間の仕事率を殺傷しなければならないパターン2となる。パターン1よりももっともよいのがパターン3であり、各個人が努力することで仕事量(成果)を最も高められるパターンとなる。しかしながら、各個人の仕事率がなんらかの理由で下がっているパターン4(ここでは、B、Cが能率の低下がある)では、総仕事量も%仕事量で83.3%ととなり、分業しても100%には至らない。この場合は、仕事量自体を調節しなければ、対処がままならない。一方、一見して%仕事量が100%であるパターン2が本当は厄介な分業となる。Aさんは通常通りに努力し、Bさんはさらなる努力をしたとしても、Cさんがこの場合ネックとなる。この影響はAさん、Bさんにも伝わり、まずは通常のAさんも仕事率が下がりがちとなり、仕事が出来るBさんも文句が多くなり、不公平感が蔓延する。その結果、今はGoodであっても急にVery Poorに一転しやすい分業体制となる。

1) http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000151707 (閲覧2017.10.15)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ミトコンドリア・イブ(閲覧2017.10.15)
3) トマセロ, マイケル: ヒトはなぜ協力するのか. 勁草書房. 2013.

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