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詩人エミリー・ディキンソンの心の、外と内の世界


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題名:詩人エミリー・ディキンソンの心の、外と内の世界
報告者:ダレナン

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 エミリー・ディキンソンはアメリカの女性詩人である。生前はわずか10篇の詩が世に出されただけで、無名のまま生涯を終えた1)。ただし、没後に1800篇近い作品が発見されたことによって、アメリカ文学史上の奇跡と讃えられ、今では19世紀の世界文学史上における天才詩人という名声を得ている人物でもある2)。今や、書籍による「対訳 ディキンソン詩集」などだけでなく、映画「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」(静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(字幕版))もあることから、エミリー・ディキンソンに詳しい方も多いかと思われる。しかしながら、映画での描写やレビュー2)、あるいは、文献3)で指摘もあるように、エミリー・ディキンソンの人生観は、非常に風変りであった。それは、とてつもない悲しみや疎外感を有し、自身の感情を抑え切れず、自分の考え、ライフスタイル、宗教観を否定されると、家族にさえ容赦ない言葉の暴力を投げ返す様子2)や、あるいは、両親の屋敷からほとんど出ることもなく、白い服を着て生涯独身で過ごし、近所の人たちから変わった人とも噂されていた3)ことからも了解できる。エミリー・ディキンソンの研究者でもある浜田美佐子博士によれば、ディキンソンは外と内との間に二人のわたしがいて、円周の中と外、自室と、外の世界との間のきわどい線上に身を置き、自己の存在価値を維持した人物とされる4)。それゆえに、風変りであってもエミリー・ディキンソンだけが知っているルールで作り出された世界4)がその詩に反映されている。その心の、外と内の世界は、脳科学的にも示唆に富み、先の記事でも示したマルチェッロ・マッスィミーニ博士も彼女の以下の詩を引用し、脳の特別な存在性「一なるもの」について、その性質を描いている(以下の引用は、文献5)、3)を参考に、筆者が一部改変した)。

脳(頭の中)は、空より広い
だって、二つを並べてみて そうしたら、脳(頭の中)には空が入っているもの
すっと入っている それに、あなたも

脳(頭の中)は、海より深い
だって、二つを重ねてみて そうしたら、脳(頭の中)が海を吸い込んでいるもの
スポンジが、バケツの水を吸い込むように

脳(頭の中)はちょうど神様と同じ大きさ
だって、二つを測ってみて そうしたら、二つに違いがあったとしても
音節と音の違いほどしかないから

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/エミリー・ディキンソン (閲覧2018.7.27)
2) https://www.amazon.co.jp/静かなる情熱-エミリ・ディキンスン-DVD-シンシア・ニクソン/dp/B0767N3L25/ (閲覧2018.7.27)
3) http://histujinoayumi.seesaa.net/article/400612601.html (閲覧2018.7.27)
4) 浜田美佐子: エミリー・ディキンソンの「少女」と自画像. 東海女子大学紀要 22: 81-96, 2002.
5) マッスィミーニ, マルチェッロ. トノーニ, ジュリオ: 意識はいつ生まれるのか. 亜紀書房. 2015.

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