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B級とされる映画「シーボーグ」は如何にして〇級の存在価値があるのか、への論考


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題名:B級とされる映画「シーボーグ」は如何にして〇級の存在価値があるのか、への論考
報告者:トシ

 映画には俗称としてA級、B級、C級というレッテルがある。A級は謂わば一流と称されるような映画であり、予算をかけ、俳優や撮影、セットや特撮なども含めて総合的にレベルが高いと論じられる。その一方で、予算もなく、ほぼ無名俳優でセットもチープ感満載の映画であれば、おおよそそれらの映画はB級かC級のレッテルが貼られる。そのBやCという区分には、実際には明確な判断基準はない。しかしながら、あえて論じるならば、C級は一度見れば、見る価値がなく、映画としての存在もクエスチョンマークがつく。一方、B級は一般的にはクエスチョンがつきつつも、一部で熱狂的に高評価が与えられ、なぜか一部の人には何度も見たくなるような映画になる。これを5段階評価で言えば、2.3~2.6ぐらいに位置する低評価と高評価が分かれる映画となる。表題の映画「シーボーグ」(シーボーグ(字幕版))も国内の映画レビューサービスのFilmarksによれば、2.6という評価が与えられている1)。そのレビューを見ると、「これぞB級映画の傑作の名にふさわしい作品」、「根本的に映画として成り立ってない感じ」、「観てて楽しい!!」、「全くオススメはできません」という内容1)でも分かるように、かなり意見が分かれている。



図 映画「シーボーク」のポスター2)

 監督は、オーストラリア出身のDaniel Armstrong氏で、映画自体がオーストラリア制作であり、俳優陣もオーストラリアの人で固められ、オーストラリアでのポスター(図)を見ても、明らかに〇級感が満載である。なお、配信しているNetflixでも「オーストラリアのB級ホラー」と紹介されている(笑)。そこで、本記事では、この映画「シーボーグ」が如何にして〇級の存在価値があるのかについて論考したい。
 映画「シーボーグ」は〇級であるが、その評価の高さとしてメルボルン・アンダーグラウンド・フィルム・フェスティバル(MUFF)3)を外すことができない。映画「シーボーグ」は、2016年にこのMUFFからSpecial Jury Award(審査員特別賞)を見事受賞している。また、女優のDaisy MastermanさんとWhitney Duffさんは、この映画でBest Actress(主演女優賞)をも獲得した。このことから、映画「シーボーグ」は単なるC級とはもはや言えない。そこで、A級なのか、という問いに関しては、作品を見れば明らかであるが、低予算であることは、すぐに理解できる。ただし、Daniel Armstrong監督がこの映画で目指したところは、ネオパルプフィルム(ネオ:新たな、パルプ:どろどろしたもの)であり、それは「ポップ・カルチャーとパルプ文学の極右として、ありきたりで傲慢であっても、その要素に愛をこめて、それらを作品に盛り込んだ。そして、ホラーとバイオレンスがあった80年代初期のB級SF世界に望めた50年代に対する10代の反逆的な映画とした。それを単なるだましやホラー・アクション・SFではなく、ましてやドラマではなく、それらすべてを盛り込んだネオパルプフィルムとして作成した」ことが文献4)からも明らかである。このこだわりは、まさしく低予算であっても、芯がある、ということになろうか。その芯に呼応する形で、一部では高評価があり、結果として、映画「シーボーグ」はいい意味をこめて、B級であることには間違いない。

1) https://filmarks.com/movies/70993 (閲覧2018.10.19)
2) https://www.kickstarter.com/projects/515160596/sheborg-massacre-ltd-edition-preorder-bundles
3) https://en.wikipedia.org/wiki/Melbourne_Underground_Film_Festival (閲覧2018.10.19)
4) http://www.horror-movies.ca/2015/10/first-look-at-daniel-armstrongs-sheborg-massacre/ (閲覧2018.10.19)

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