地底たる謎の研究室

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”バカ殿”の権力


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題名:”バカ殿”の権力
報告者:エゲンスキー

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 “バカ殿”といえば、ここであえて言うまでもなく、真っ先に思い浮かぶのはお笑い界の大御所、志村けん氏によるキャラクターのひとつである(詳しくは、メディアの「志村けんのバカ殿様」などを参照)。知らない人はいないと思うが、筆者の個人的な好みから、あえて図を示したい。これは、”アイーン”のポーズ時の”バカ殿”である(これも言うまでもないが…)。国民的には知らない人はいないであろうこの志村けん氏による”バカ殿”は、そのキャラクター設定の分かりやすさゆえに、妙に憧れを抱く人も多いであろう。筆者もその一人であり、むろん、そこには”バカ殿”に対する権力者としての憧れも含まれている。
 一方、志村けん氏によるキャラクターではなく、現実的に、日本史を読み解くと、いわゆるバカな殿様は実在する。江戸幕府の第9代徳川将軍にあたる徳川家重がその人に当たる。なぜ、バカな殿様であるかと言えば、言語不明瞭に加え、猿楽を好んで文武を怠り、かつ、幼少から大奥に引きこもり、女や酒に溺れ健康を害したとされるからであり、この殿様が志村けん氏による”バカ殿”のモデルとも言われている2)。しか



図 志村けん氏による”バカ殿”1)

しながら、実際は何らかの障害があったのではないかとの説もあり3)、その真意のほどは定かではない。ただし、政財界においてのその者の手腕が発揮されない、できない場合、その権力者はやはり良い評価を与えられない。立正大学の名誉教授である阪口大和博士4)によれば、現在社会でも資格に疑わしき権力者が世襲その他の理由でその地位に就けば、様々な混乱をその傘下集団にもたらすことがあり、その権力者を称して”バカ殿”と呼んでいる。そして、そのような殿と追従者からなる当事者能力の欠落した集団に大勢をしめられると、その集団は統率力が弱体化し、機能不全を起こすことも指摘している。すなわち、本来の権力者であれば、集団の利益を守りその存続と繁栄を図るが、その支配強制力を恣意的、利己的に行使して、被支配者から収奪者にまで変身してしまうことを、現代社会の権力構造として危惧している4)。
 権力そのものは、社会の現実を支える根源的な力であり、現実を支えるということは、未来への舵取り、方向付けをおこなうことでもあり、それゆえに権力は常に両刃の剣である4)。その意味で問うと、権力の変遷の歴史は、まさに人類史である4)と言えよう。そこで、お笑い界の歴史として、志村けん氏による”バカ殿”を問うと、それは、間違いなく”バカ殿”ではなく、”かしこい殿”として権力を纏っている。そこに、やはり非常な憧れを抱かざるを得ない。”バカ殿”の権力は、お笑い界の大きな権力でもある。

1) http://blog-imgs-48.fc2.com/a/i/o/aioi/20110828003603ffe.jpeg (閲覧2018.11.1)
2) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13101714088 (閲覧2018.11.1)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/徳川家重(閲覧2018.11.1)
4) 阪口大和: 現代の権力構造. 立正経営論集 36: 63-110, 2003.


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