題名:重なる”綺麗”さ
報告者:アダム&ナッシュ
近年のインターネットの発達でよく目にするようになったコンテンツが、画像、あるいは、短めの動画(画像・短動画)であろうか。もともとは文字を中心に発達したインターネットの世界であるが、その文字は、バイト数などのサイズに伴う容量も小さく、インターネットの黎明期のコンテンツの多くが文字主流であった。しかしながら、現在は、ハードディスクなどのコンテンツを保存する機器の発達に伴い、あるいは、デジタル技術の発展に伴い、サイズの大きなデータもネット上で容易に扱えるようになった。そのことから、今では逆に、文字よりも画像、さらには、短めの動画がネット上で多く目につくようになった。文字ベースも多いものの、文字に比べて、パッと閲覧するだけで何となく全貌が明らかとなりやすい画像・短動画は、コンテンツを楽しむ側としては、やはりありがたい。ただし、文字よりも、画像・短動画は、”嗜好”から、短絡的な”思考”に陥りやすい傾向はある。よく磨かなくてもよい歯磨きと同じで、”歯垢”は溜まるのかもしれないも、やはり楽である。楽しい画像・短動画の閲覧は、”至高”のひとときを与えてくれ、画像・短動画に偏重する”志向”は、心の意識を、次第に、画像・短動画を求める”指向”へといざなう。
その数々のコンテンツを閲覧する”試行”において、気になるのがやはり「美」や「かわいい」といった感覚になるであろうか。大人になると身体は”完成”するも、心は”感性”したままで、ときおり自分との比較でもって、”歓声”してしまう画像・短動画に出逢うこともしばしばである。
図はイタリアの写真家Stefano Montagner氏による一枚の写真である。アメリカで2番目に高い超高層ビルであるウィリス・タワー2)において、たぶん夕日を前に撮影された写真であろうが、この写真をみて多くの人が、心の”慣性”を止められぬままに感じるのは、たぶんに撮影された女性の「体が細い」、「足が長い」、「顔が小さい」、「スタイルがよい」であり、そこに立つ女性の美姿に”感嘆”する。
このような夕日を前に撮影すると、逆行から被写体が真っ暗となりやすい。そのため、出来上がりにおける女性の気持ちをも注意しなければいけない撮影となる。そのため、”簡単”なようで” 肝胆(真実の心)”がないととれない写真ではある。ただし、Stefano Montagner氏の写真は、上手に窓ごしに夕日を眺める女性の穏やかな雰囲気をも写しだし、夕日のシルエットと伴って、この写真を観る側は、”感歎”することになるであろう。”綺麗”な夕日に、”綺麗”な女性が重なり、相乗的に”綺麗”さを増す。
ちなみに後ろ姿であることから、これを観た方は、女性のお顔も拝見したいと思うかもしれない。文献3)には、この女性と思しきお顔写真も掲載されているので、興味のある方は閲覧していただきたいが、羨ましいことに、お顔も”綺麗”である。
図 Stefano Montagner氏の写真1)
1) https://www.flickr.com/photos/stemonx/30016736790/in/photostream/ (閲覧2018.11.17)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ウィリス・タワー (閲覧2018.11.17)
3) https://www.flickr.com/photos/stemonx/29644273253/in/photostream/ (閲覧2018.11.17)
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