題名:ハクソロルールズ・オベランの生涯 2
報告者:ダレナン
本記事は、この記事の続きです。
ハクソロルールズ・オベランは奇妙な魚を釣り上げ、その魚が訴える場所で漁をすると、かならず大漁となることに気づいた。そして、いつしか、ハクソロルールズ・オベランが漁に出かけると、毎回毎回大漁となることに、おなじ漁師の仲間からも不思議がられるようになった。しかも、毎回の大漁となるハクソロルールズには、どんどんとお金が入る。そんなハクソロルールズをやっかむ漁師も多くなった。
「おい、ハクソロルールズ。魚嫌いのおまえが、なんで毎回毎回そんなに大漁になるんだ。なんか秘密でもあるんじゃないのか。俺にも教えろや。」
そうして、漁師の仲間だけでなく、町中の人も、ハクソロルールズが急にお金持ちになったことで、ハクソロルールズの家に押し掛けることが多くなった。
「ハクソロルールズさん。すこしお金を分けてくれないかい。」
「ハクソロルールズさん。うちは今月も赤字で、飯も食えねーありさまなんだ。すこしお金を分けてくれないかい。」
「すこしお金を…、すこしだけでいいの、お金を….」
そうして、多くの人がハクソロルールズの家に来ることで、ハクソロルールズはだんだんと家にいることが憂鬱になった。なりたくてなったわけではなく、ただ単にあの奇妙な魚のおかげで得られたお金でしかなかったのに、多くの人がハクソロルールズを好奇の目でみるようになった。いつしか、そんな町に嫌気がさしたハクソロルールズは、ついに家を売り払い、船の中で暮らす決心をした。ただし、少しばかりもうかったお金で、あの奇妙な魚のために、船の中に豪華ないけすを作ることにした。そして、そこでその魚を育てることにした。
船で暮らしてからも、奇妙な魚はいつものように口をパクパクしていた。そして、その魚が示している位置で魚を釣ると、多くの魚がつれることも分かっていた。しかし、ハクソロルールズはもともとの魚嫌いに加え、今回の町での騒動に、魚を釣ることをほとんどしなくなった。時折、町に降りては、食料品を買うも、それ以外は、その奇妙な魚を船の中で眺めて過ごすことが多くなった。
ある朝のこと、いつものようにその魚に「おはよう」と声をかけた時、いつもと違う異変に気付いた。なんとなく、その魚が横向きで泳ぎ、いつもよりも口をパクパクさせ、後ろのひれからなにか妙な突起物が出ていた。
「いったいどうしたんだい。」
(続く?)
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