地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

水の中のゆらめき、および、その表現



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:水の中のゆらめき、および、その表現
報告者:アダム&ナッシュ

 ヒトはすでに陸上動物であり、水の中では生きては行けない。一方で、かつては陸上に住んでいたものの、水の中へと居を移し、水中生活を営む動物も現に存在する。イルカやクジラなどがそれである。その祖先については、かつては四足の肉食動物のメソニクスであるとされ、約6500万年前にこのメソニクスが水中生活へと移行し、現在のイルカ・クジラ類(鯨類)へと進化していったと考えられてきた1)。しかしながら、近年の研究によって最も近縁な哺乳類はカバであることが判明し、偶蹄類の分化の道筋をたどると、最初にラクダが分かれ、次にイノシシやブタの仲間、そしてキリンやヒツジの仲間と分岐し、そしてカバの祖先から分かれて原始的な鯨類が現れたとされる1)。そのため、鯨目(類)と偶蹄目を一つの仲間にまとめた「鯨偶蹄目」という呼称も普及している1)。では、なぜ、イルカやクジラは海へ戻ったのか?
 その疑問は未だ謎である。が、単純に考えると、イルカやクジラは少なくとも水の中が好きであるに違いない。泳ぎもその祖先は得意だったに違いない。そうでないと、海へは戻らなかったであろう。カナヅチのイルカやクジラは存在しないことがその証明でもある(?)。
 一方、ヒト(ホモ・サピエンス)は水の中では暮らせない。エレイン・モーガン氏のアクア説によれば、「私たちの祖先は、ある時期、半水生生活を送っていた。そして、その生活こそが、二足歩行や無毛性といった、人間特有の特徴を生んだ」とされるも2)、これは科学的には証明されてはいない。ただし、無毛については、体温の上がりすぎを防ぐための進化とされ、こちらの説が有力である3)。
 かつて、ヒトは、半水生生活を送っていたとすれば、水の中に住むヒト(ホモ・アクアリウス?)と、陸上に住むヒト(ホモ・サピエンス)に分かれて生活しているはずである。ただし、人魚や半魚人は、一応UMA(Unidentified Mysterious Animal(和製英語):未確認動物4))であっても、ホモ・アクアリウスとしての実在の確証は得られていない。ここで、地球の陸の面積14889万平方km、海の面積36106万平方kmから、陸29.2%、海70.8%となり5)、陸上が狭く感じる現在、広大な水の中(海)の生活にホモ・サピエンスが憧れたとしても仕方あるまい。ましてやホモ・サピエンス・カナヅチであれば、なおさらである。そこで、ゆらめく水の中で、ヒトがいきいきと過ごしている様が表現されていれば、その夢は、ホモ・アクアリウスへの道として、あこがれにもなろうか。水中カメラマンのZena Holloway氏は、そんな夢をかなえてくれる。Zena Holloway氏の作例を図に示す。こんな感じでホモ・アクアリウスとして水の中で過ごしてみたい。



図 Zena Holloway氏の作例7)

1) http://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=02502 (閲覧2019.1.20)
2) モーガン, E: 人類の起源論争―アクア説はなぜ異端なのか?. どうぶつ社. 1999.
3) ジャブロンスキー, NG: なぜヒトだけ無毛になったのか. 日経サイエンス 194: 146-153, 2013.
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/未確認動物 (閲覧2019.1.20)
5) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416508019 (閲覧2019.1.20)
6) https://www.zenaholloway.com/ (閲覧2019.1.20)
7) https://www.saatchiart.com/art/Photography-Angel-4-edition-of-45-31-sold/416892/1799539/view (閲覧2019.1.20)

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