地底たる謎の研究室

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風景画における山の重なりを単純化する


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題名:風景画における山の重なりを単純化する
報告者:アダム&ナッシュ

 風景画に関して、山を見て描く時や、山で写真を取る際にふと気づくことがある。それが山の重なり具合である。色で問えば、近くは濃く、遠くは薄くなる。形状で問えば、近くはその凹凸が明確で、遠くはぼやける。そのようにして、山の重なり具合が自然と表現されている。
 その表現を遠近法で捉えると、2種類ある。一つは色による色彩遠近法、もう一つは空気遠近法である1)。色彩遠近法とは、実際は空気遠近法の一部とされるも、大気の影響で遠くの方ほど青みがかっているなどに使われている技法である1)。先に示した色で問うた内容が、色彩遠近法に相当するのかもしれない。もう一つの遠近法である空気遠近法は、遠くのものほどかすんで見えるという技法である1)。これを利用した絵画での有名な例は、レオナルド・ダ・ヴィンチによる「モナ・リザ」の背景になる1)。その背景を確認したい方は、文献2)を見ていただきたい。
 この遠近法がどのようにして表現されているかを事実確認するために、写真でこれを調べてみたい。すると、図1のようになる。写真という目の前の現実を忠実に写し取る手段で、その遠近法がいかんなく表現されて



図1 David Mould氏の作例3)

いることが見てとれる。この写真を撮ったのは、イギリスの写真家David Mould氏4)になるが、「A bit of fun with some processing with an image」5)とあり、写真には若干のレタッチをした可能性も否定できないが、その素材を著しく変えたほどではなかったレタッチと推定すると、確かに見た目での山の重なり具合はこのように見える(感じる)ことが多い。そこで、今度はこの遠近法を単純化して捉え、色彩遠近法と空気遠近法を利用した筆者らの単純化風景画を提示する。
 図2がそれに相当する。手前の山の稜線は出来るだけ凸凹させ、遠くほどなめらかに表現した。さらに、手前の色を濃く、遠くを薄く表現した。なお、David Mould氏に習い、恥ずかしながら鳥をVで表現した。画自体は、全体的に単純化され過ぎで、拙劣な表現ではあったとしても、これでも山の重なり具合が、ある程度は表現できているようにも思える。
 これらのことから、特に絵でもって山の重なり具合を表現するには、上記の2つの遠近法に注意すれば、それらしくなる可能性が示唆された。



図2 遠近法を利用した単純化風景画

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/遠近法 (閲覧2019.1.31)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/モナ・リザ(閲覧2019.1.31)
3) https://www.pinterest.jp/pin/737745982686979020/ (閲覧2019.1.31)
4) https://david-mould.squarespace.com/ (閲覧2019.1.31)
5) https://www.flickr.com/photos/mouldy/6829534073/in/photostream/ (閲覧2019.1.31)

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