地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

準備中



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:準備中
報告者:ダレナン

ただいま準備中です

店の前には立て看板が掲げられていた。つい半年前までは営業していたはずなのに、なぜか寂しげなその看板は、お店の終了を告げているようであった。

「ほら、みてみて」

彼女が検索したスマホを覗くと、そこにはお店のHPがあった。そこでの情報によると、今日は営業日なはず。なんで、立て看板、それも、準備中の立て看板が掲げられているのかは、分からなかった。

「もしかして、お店がつぶれたの?」

「どうかな? でも、お店の中も真っ暗だし。もしかして、そうなのかな?」

そのお店は、僕と彼女にとって想い出のあるお店だった。ちょっとした、こじんまりしたイタリアンのお店であったが、店内の雰囲気もよく、かつてはよく通っていたお店だった。プロポーズしたのもこの店だった。ここ最近、引っ越しや、お互いに仕事が忙しくなったこともあって、あまりこの界隈に来ていなかった。お店もどうなっていたのかは分からなかった。ようやく、落ち着いて、少し時間に余裕ができたため、彼女の提案でしばらくぶりにこの想い出のあるお店に訪れたというのに。準備中か。

「あれっ? ここ、ここ、ここみて」

準備中の立て看板の横に、ひっそりと小さな張り紙があった。そこには、1週間前の日付けで、お店をたたむ旨の案内があった。

「やっぱり、お店がつぶれたみたい」

「そうだね。ちょっと残念。想い出のあるお店なのにね」

シェフであり、店長でもあった彼の顔も、ふと思い出した。少し陰のある人であったが、話しかけると陽気に会話をしてくれた人ではあった。しかし、もともと職人気質なのか、決して多くは話さなかったことを覚えている。確か、奥さんらしき人が、ウェイトレスも兼ねていたはず。初めて来たときには、なか睦まじい感じがしたが、半年前にお店に来た時に、お客もほとんどいない上に、お店の奥では時折、口論しているような会話も聞こえた。もしかして、その時から、2人の間に、何かあったのかもしれない。
 (続く?)

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