題名:縫いぐるみ人形のダンスのように
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
社に帰った。この物語での夜明けから続いて、眠たい眼をこすりながら、社に帰った。社に帰り、社長の藤井美菜さんにことの顛末を報告しようとしたところ、いつものラブリー♡な藤井社長ではなく、すこし冷たい視線を感じた(図)。
図 藤井美菜さん1)
「あなた。昨日の晩、どこにほっつき歩いていたの? 比留川游さん社長からも、高級居酒屋で商談の途中、店の奥にいったまま、戻ってこなかったと聞いたけれども。Missing Youしたと聞いたけれども」
「夜に抱かれて、いました」
「夜に抱かれて?」
「はい。夜に抱かれて、何かをMissingしていました。心がきしむほど、グーリー株式会社のグーリー・ナーザーさん社長が忘れられないのです。すべてが…。ひかりの午後も、ほしの夜も、ベイベーです」
「えっ、じゃぁ、わたしへの愛は? どういうことなの?」
「はい。引き抜きに逢いました。グーリー・ナーザーさん社長に逢って、引き抜きにあい、この道をかけだしそうになりました」
「この道?」
「そう、この道です。見つめかえさないのに、ひとみ奪われて、動けなかった道です」
そうして、藤井社長は、静かにこういった。
「それなら仕方ないわね。今日でもってクビ。残念だけど、あなた、クビね」
そして、僕は途方に暮れることになった。よくよく考えると、グーリー・ナーザーさん社長とも、特に契約を結んでいなかったことに、はたと気づいたのだ。完全に、完全なまでに、グーリー・ナーザーさん社長に、縫いぐるみ人形のダンス (Of a rag doll dance)のように、僕は、Spellboundされてしまったのだ。
1) https://www.pinterest.jp/pin/834221530952143252/ (閲覧2019.7.21)
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