地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

逢いたい、一緒に居たい。一緒に居られるから、幸せ



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:逢いたい、一緒に居たい。一緒に居られるから、幸せ
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 「Yukoちゃんに、めっちゃ逢いたかったでー、めっちゃいっしょにいたかったでー、今、Yukoちゃんといられるワイは、めちゃめちゃしあわせやでー。Yukoちゃん、だいすきやでー」

食事中、そのハムスターは、そう連呼していた。その連呼を聞くと、なぜか恋の炎とはそんなものなのかもしれないと思い始めていた。(逢いたい、一緒に居たい。一緒に居られるから、幸せ。)なんだということが。単純にして、明快な論理。いや論理ではないかもしれない。単純な感情の発露かもしれない。ただ、ただ、ただし、それが恋にとって最も大事なことであろうかのように思えた。

「Yukoちゃん、この前、いっしょに、写真集の雑誌社の人にお忍びで海にいったやろ(この物語)。あの時の貝殻、今もってるか?(図)」



図 Yukoちゃん1)

「もちろん大事に持ってる…。ワイさま、とのしあわせな思いでだもんね」

「ワイもやで。ほら、その時の、もう一つの片やで」

 そうして、貝殻を合わせると、見事にぴったりとあった。そんな幸せそうな二人(正確には1ハムスター+1人)(この物語)を見ていると、こっちまで幸せになってきた。

「なんや。じぶん。こっちばっかり見とれとらんと、はよ、肉、食べんかいな。冷めてしまうでー。夢からもなー。Yukoちゃんに見とれてしまうのも分かるけどな~」

(そうだった。藤井株式会社のプレゼン係として、再び認められるには、夢から覚めるわけにはいかなかった。カターニャにいるであろう、藤井美菜さん社長にちゃんと告げなければならない。もう一度、もう一度だけチャンスをくださいと…)

「大事な場面でいっつも恋ミスするから、今のようなアホなことになるんや。ろっくにプレゼンせんで、グーリー・ナーザーさん社長に高級居酒屋で気持ちを取られてしまうから(この物語)、藤井美菜さん社長から、クビ(この物語)…と、いいわたされたのやで、じぶん。あっほーやな。ちゃんと藤井美菜さん社長のこと、美菜、みーなーあかんがな…。だいすきやでーって」

 なぜか、妙に、僕の事情をよく知っているそのハムスターであった。

1) https://www.pinterest.jp/pin/14144186313495452/ (閲覧2019.10.5)

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