題名:島でゆっくりと
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
朝目覚めた。
随分といろんな夢を見たような気がした。沙耶は今でも元気にしているのかな…。
そして、気づくと、アラウンド・フォーティにも関わらず、僕の□□は20代の頃に蘇ったように激しく隆起していた。僕の思考は、間違いなく今現在、下半身に牛耳られている。
これほどまでに性欲を感じたのは、あの若かりし日々以来かもしれない。僕としては沙耶との海辺でのあの日の性春を超えるようなことはその後なかったが、今の平々凡々な幸せな日々もまんざら悪くはなく、穏やかな性欲の支配に安堵する日々だった。
でもしかし、僕の横には、沙耶でなく、妻の舞衣子が居る。僕の下半身はいてもたってもいられずに、妻の寝間着のボタンをはずし、胸をまさぐった。妻も目を覚ます。
舞衣子:「どうしたの…?」と聞く。
平十郎:「ごめん。舞衣子のことがすごく欲しくなった…」
まさぐると、妻の舞衣子から吐息が洩れた。僕は彼女の体をまんべんなく慈しんだ。それから僕は舞衣子に挿入し、僕は果てた。
妻の事は愛している。それは間違いない。でも、今ここでしたことは、もうすでに僕の欲望が過去には戻らないことをも感じさせた。
沙耶の事はもはや思い出せない。数えること今からもう17年ぐらいの前の出来事だ。でも、それでも、どうしようもなく僕の体が、“あの時”、のことをしっかりと覚えていた。すべてを捧げるその想いは、今の僕の年齢では”叶わない”。舞衣子のせいではない。年をとる意味が少しは理解できたように思えた。
舞衣子:「平十郎くん。ちなみも来年から小学生。早いもんだね…。でも最近、お父さんはなんだか穏やかになったね。イベント会社勤めの時は、随分とピリピリしてて、近寄りがたかったけれども」
舞衣子にそう言われると、そうだなと思えた。新型コロナウイルスでどうにもならなかった仕事が、今はあまり深刻に考えずに、給料がもらえている。イベント会社が倒産し、転職して給料は安いものの、それはそれでよかったのかもしれない。娘のちなみとも遊ぶ時間が増え、心にもゆとりが生まれていた。性欲も何だか“あの時”ではないにせよ、精神的な余裕で、僕はタイコの本来の自分のありように戻りつつあった。以前より僕はゆとりを纏い、野性味を帯び始めているのかもしれない。ち〇こがドコドン、ドコドン…と語っている。
平十郎:「舞衣子。今度、3人で旅行に行こうか…? どこかの島でゆっくりと過ごすのもいいかもしれない」
ふと思いつきだったが僕は、舞衣子にそう伝えた。
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