地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

寝る時間を惜しんで



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:寝る時間を惜しんで
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 ふ~ん。そうなんだと舞衣子に伝えつつ、僕はいささか嫉妬していた。
 映画に関するブログ歴は僕の方が長い。ひっそりと舞衣子が始めるずっと前から映画レビューを称して密かにブログを更新してきた。
 かつて大学時代に映画研に所属していたものとして、そのレビューの内容に少しは自信があった。ただ、僕には舞衣子と違って決定的に文才がない。
 舞衣子は僕と同じ建築会社勤めの時は庶務課に所属し、公文書などはお手の物で、他部署とのコミュニケーション能力も高く、人に対してどのような文章がよく受けるのかを肌で理解していた。
 だから、彼女のブログ(それは、妻から直接聞いたわけでないために、本当にそれが彼女のブログかは確証は得ていないものの)は、読みやすく、理解しやすく、そしてその他にも舞衣子が執筆したレビューも読みたくなる代物だった。アクセス数が増えるのも無理はない。
 一方で、随分と先に始めた僕のブログは、毎日毎月のアクセス数もわずかで、今や閑古鳥が鳴いている。
 その答えを自分で言いたい。それは、「つまらないからだ…」
 例え、古い映画、それは1980年の映画「青い珊瑚礁 Ce」であっても、当世の歌手、松田聖子が歌う「青い珊瑚礁」なみに舞衣子のブログがヒットすることが予想された。もう僕に残された方法は、舞衣子の先手を取り、その続編とされる「ブルーラグーン」を先にレビューすることだ。おこぼれをもらえるかも…。
 幸いなことに、舞衣子は未だ「青い珊瑚礁 Ce」に続編があることを知らない。僕はそれ幸いとばかりに、その後、何日かは寝る時間を惜しんで「ブルーラグーン」をチェックした。

(あれっ、ボートの男の子の名前が、リチャードなんだ)

(家がもとの映画と続いとる…、ほーそういうことか)

(男の子と女の子が若干、大きくなった)

(性教育の話しとるで…。未亡人サラが。この女優さんリサ・ペリカンって名前やん1)。リサってえと、大貫沙耶ちゃんが演じた名前も、莉紗やったな…なつかしいな)

(でも、島の水も、やっぱ煮沸せんでええんかいな…って疑問に思うで。それにしても、毎日毎日、3人分の食料調達、どうしとるんかいな…。シャークじゃ無理やろに.)

(サラが肺の病気になってもうた…)




1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルーラグーン_(映画) (閲覧2021.9.20)

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