アイスクリームにあったギミックを再考する



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題名:アイスクリームにあったギミックを再考する
報告者:トシ


 アイスクリームには様々な種類がある。溶けないアイスクリーム(この記事も参照)や、自分で作れるアイスクリーム(この記事も参照)もあるが、「とにかく、今すぐに、アイスクリームが食べたい」、という要求に適うのは、市販のアイスクリームを買うしか手立てがない。近年では、街中いたるところにコンビニエンスストアが乱立しているため、そこで手軽にアイスクリームを購入することも可能となった。さらに、種類も豊富となった。しかしながら、かつてと違って、ワンコイン(100円など)で購入できるアイスクリームは少なくなり、現在のコンビニエンスストアにあるアイスクリームの多くは150円~、または、美味しそうなのに限っては200円~もざらではない。子供の小遣いから勘案すると、その値段のアイスクリームは、やや高価なスイーツに属する。量が少なめでも、ワンコインで購入できるアイスクリームがあると、価格的に子供も喜ぶ、なおかつ、大人の消費者も「こんなに食べると、また太ってしまう」という心配も少なくなり、かつ、少なめでも食べたという要求も満たされる。しかしながら、値段と量に関しては、メーカーが主導権を握っているため、購入者側では、いかんともしがたい。
 古くは近所の小さなスーパーでは、「ホームランバー」のような子供の小遣いでも気軽に購入できる小さめのアイスクリームが散見された。その「ホームランバー」は、1960年代で1本10円であった1)。今の値段にすれば、約50~60円に相当するのであろうか。図に「ホームランバー」を示す。ある年代以上の方であれば、「そうそう、アイスクリームはこれこれ」と思うであろう。形状は四角柱状で、銀紙で包装され、スティックは木製で、さらに、当たりくじつきが、このアイスクリームの特徴でもあった。スティックに「満塁ホームラン」「ホームラン」「ヒット1塁打」「ヒット2塁打」「ヒット3

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図 当時の「ホームランバー」のポスター2)

塁打」からなる5種類の焼印があり、その焼印に従って、豪華景品や「ホームランバー」がもう1本もらえた1)。今のコンビニエンスストアに並ぶアイスクリームにはないギミックである。「満塁ホームラン」ほしさに、何度もお店に通い、「ホームランバー」を食べすぎた人も、ある年代以上の方には多いかもしれない。値段も手ごろなうえに、ギミックがあると、つい手を伸ばしてしまったのは、かつてのよき思い出でもある。
 現在は、販売側も商品を購入してお金を落としてくれればそれでよい、購入者側も好きな商品を購入できればそれでよいとなり、ギミックを介してお店とお客で駆け引きするようなことが少なくなった。さらに、球界もかつてほどの勢いがなく、野球のルールやホームランそのものも知らない子供も多いかもしれない。それは、世の中が多様になった、と言えばそれまでであるが、アイスクリームのギミックで、お店との交渉術を学んだ子供もかつていたとすると、それこそが、大人になってからも重要な人との駆け引きの根本でもあったと言えるかもしれない。当時の子供にとっては、ギミックの裏に隠された大人への道のホームランでもあった。

1) http://www.nttcom.co.jp/comzine/no085/long_seller/ (閲覧2016.3.29)
2) http://www.maboroshi-ch.com/old/sun/pha_10.htm (閲覧2016.3.29)

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