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油から石鹸となるための化学な科学


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題名:油から石鹸となるための化学な科学
報告者:エコノ

 手に付いた汚れや体をきれいにするには石鹸が欠かせない。近年では入浴の際にはボディーソープという液体の石鹸もあるが、固形の石鹸には人類の英知を感じる塊的な存在感がある。それと言うのも、石鹸は汚れを落とすのに、なぜか主材料が油であり、これがもともと油で、どうして汚れが?…という疑問がその塊に込められているからである。
 料理などで油を使うと、手がべたべたして、水ではなかなか落ちない。それなのに、この油で作られた石鹸で、油の付いた手を洗うと、すっきりときれいになる。もちろん、べたつかない。とても不思議な現象である。人類は、どのようにして、この石鹸を生み出したのであろうか。
 そこで、本記事では、まず石鹸が生まれたきっかけについて、迫ってみたい。
 石鹸の起源は、約7000年前まで遡ることができる1)。ただし、その当時は油が主成分ではなく、炭酸水を利用した石鹸であった1)。それが古代ローマ時代になり、羊を焼いて神に供える習慣のあったサポーの丘(今のイラクの辺りに位置する丘2))での儀式の際に、したたり落ちた羊の脂と灰が雨に流され、それが川に堆積した土の中で自然に石鹸らしきものができたとされる3)。すなわち、主成分が油である石鹸の起源が、この時代からであったようである。当時、この油のしみ込んだ土は汚れをよく落としたため、洗濯ものが白く仕上がる “不思議な土” として珍重されていた3)。ある意味、これが元祖石鹸とも言えよう。その一方で、特に理屈なく、宗教的儀式の副産物として、偶然に石鹸が生まれたことも分かる。ちなみに、このサポーの丘のサポーの綴りは、Sapoとなり、これが変化してSoap(ソープ)に変化したと言われている4)。
 次に、なぜ油脂が石鹸となったのかについて、考えてみたい。
 前述で、サポーの丘の儀式の際、羊の脂と灰が雨に流されたとし、それがしみ込んだ土が石鹸となった。実は、石鹸は、油のみではなく、この灰に石鹸となるきっかけがあった。その灰はアルカリ性であり、このアルカリが油脂に作用し、加水分解することで「鹸化(けんか)」という化学反応が起きる5)。すなわち、石鹸は油そのものではなく、「鹸化」による別の物質へと生まれ変わった結果である。その反応の化学式を図示する。これによれば、油脂とアルカリの水酸化ナトリウムが結合することで、石鹸が生まれることが分かる。さらに、石鹸は油脂そのものではなく、その本質は、脂肪酸ナトリウムであることが分かった。先の宗教的儀式で何気なく生まれた元祖石鹸の背後には、実は、この化学があったのである。

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図 石鹸が生まれるための化学式6)

1) http://sangleafpharm.com/jp/?page_id=4497 (閲覧2016.2.17)
2) http://www.wish-aa.net/rin/fig02.html (閲覧2016.2.17)
3) http://jsda.org/w/03_shiki/2kurashi_21.htm (閲覧2016.2.17)
4) http://www.live-science.com/honkan/soap/soaphistory01.html (閲覧2016.2.17)
5) http://www.live-science.com/honkan/soap/soapmanufact02.html (閲覧2016.2.17)
6) http://universe.littlestar.jp/espuma/blog/石鹸の基本/ (閲覧2016.2.17)

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