題名:PC界の絶滅危惧種
報告者:ログ
現在のPC(パーソナルコンピューター)の世界は、非常に移り変わりが早い。さらに、これに追い打ちをかけるように、スマートフォン、ファブレット、タブレットなど便利な情報端末の登場により、PCそのものの価値がかつてに比べて著しく低下しつつある。
Windows95が登場した後は、一時は、デスクトップ型PCが家庭に一台増えつつある状況であった。しかしながら、その後、どんどんとPCが小型化し、ノート型PCが台頭してからは、デスクトップ型PCは、仕事場、あるいは、PCの比較的使用度が高いユーザーのみのものとなり、今ではノート型PCは所有しているが、デスクトップ型PCは所有していない人も多いに違いない。
PCの小型化に貢献したのは、中央処理装置(CPU)や集積回路(IC)などのチップが微細化し、かつ、省電力化したことに他ならない。そのPCの小型化の背景にはムーアの法則なるものがある。ムーアの法則とは、世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の一人であるGordon Moore博士が、1965年に経験則として提唱した「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則である1)。その推移を図1に示す。図の線上にある吹き出しは、チップの名称であるが、歴史上に残るMC68000やPentiumなどの有名な名称も見られる。
図1 ムーアの法則の推移2)
また、18~24ヶ月で倍増している傾向も見てとれる。一説には、半導体メーカーがムーアの法則を満たすべくチップの開発を進めたとの噂もある。しかしながら、近年では、平面上のこの法則にも限界が来ているとの話題もあり2)、今後の成り行きが楽しみでもある。
このようなムーアの法則はよく知らなくとも、PCを利用する側としては、持ち運びのできる小型化は、大いに喜ばしい。ただし、その推移の早さは、PC自身にとっても絶滅危惧種となる恐れがあり、PCに感情はないであろうが、「僕みたいな存在も、わるくはないよ...」という絶滅に対するシグナルを時折発する。筆者の個人的な意見としては、図2のようなクラムシェル型のパームトップPCが非常に好みであったりする。現在、香港の携帯メーカーがクラウドファンディングにおいて、出資募集し
図2 クラムシェル型のパームトップPC4)
ているが、絶滅してほしくない種に認定される可能性はあるのであろうか。
1) http://e-words.jp/w/ムーアの法則.html (閲覧2016.3.2)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ムーアの法則 (閲覧2016.3.2)
3) http://www.tel.co.jp/museum/magazine/material/150327_report04_02/index.html (閲覧2016.3.2)
4) http://japanese.engadget.com/2016/03/02/5-5-300g-win-10-gpd-win-pc/#continued (閲覧2016.3.2)
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