題名:ヒトの一生とハムスターの一日を比較する
報告者:ダレナン
ヒトの生物としての一生は、寿命にすれば80歳を超えるが、健康寿命は70歳と少しである(この記事も参照)。そのため、ヒトがヒトらしく生活を送れるのは、70歳から少しぐらいまでが一応目安となるであろうか。仮に、あるヒトが70歳ちょうどまでで一生を終えたとして、その人生の時間を考えると、
70×365×24=613200時間
の人生を送ったと言える。この613200時間が長いか短いかは、ぱっと見ても見当がつかない。そこで、ここでは、比較とする動物として、ハムスターを取り上げて検討したい。
現在、犬や猫に勝るペットとして昨今で人気を博しているのが、ハムスターである。なぜなら、ハムスターは犬や猫に比べて、飼育に大きな場所を要せず、かつ、手の平にのるそのかわいらしさが、こじんまりとした愛玩性を有していることに他ならないからである(もちろん、生物としての)。そのハムスターの様子を図に示す。タイミング良くブランコに乗るハムスターである。写真としてはある程度の意図的な要素はあるかもしれないが、その愛玩性が図から明らかに見て取れる。
ハムスターは、リスやネズミと同じ「げっ歯目」の仲間である。現在、世界には4000種類以上いる。しかしながら、ペットとして流通しているのは、ゴールデン、ジャンガリアン、ロボロフスキー、キャンベル、チャイニーズの5種類とされる1)。その種類によって、ハムスターの一生は若干異なるかもしれないが、一般的にハムスターの4時間は、ヒトの時間にして1日に相当する1)。また、サイズによる生物的な時間の違いは、いろいろな哺乳類であっても体重と時間に一定の法則があり、時間は体重の1/4乗に比例する2)。
図 ブランコに乗るハムスター1)
仮に成体として、ヒト65kg、ハムスター40gとすると、
650001/4=15.967、401/4=2.515 → 15.967/2.515=6.349倍
となり、ヒトの時間は、ハムスターの時間の約6.35倍となる。すなわち、ハムスターの24時間は、ヒトで言えば6日間生きている換算となる。図のように例えブランコに乗った時間が1分としても、実際にハムスターが乗った時間感覚は、1×6.35のヒトの1時間越えに相当するのである。せわしなく動き回るハムスターも、ヒトを観察しては、「とろい動物だなぁ」と思っているのかもしれない。
1) http://pic.prepics-cdn.com/koibanaotome/24920169.jpeg (閲覧2016.4.10)
2) 岡野祐士, 今泉忠明: はじめてのハムスター. 学研パブリッシング. 2015.
3) 本川達雄: ゾウの時間 ネズミの時間. 中央公論社. 1992.
4) http://nenrei.info/animal/hamster_djungarian.html (閲覧2016.4.11)
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