地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

Richard P. Rubinstein氏の眼識を探って



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:Richard P. Rubinstein氏の眼識を探って
報告者:トシ

 Richard P. Rubinstein氏について知る人はとても少ないであろう。ただし、それは日本という国においてのみであり、少なくとも彼の出身であるアメリカ合衆国では、知る人ぞ知る人であるに違いない。なぜなら、カルト的な人気のあるアメリカ合衆国のSF・ホラーの映画やTVのプロデューサーとして、必ずといっていいほどクレジットされていることが多いからである。
 一般的に映画作品であろうとも、TV作品であろうとも有名になるのは、出演した俳優、もしくは、監督である。俳優はその作品を飾り、監督はその作品を彩る。しかしながら、プロデューサーは有名な映画やTVであろうとも、あまり知られていないことが多い。実際、プロデューサーは直接作品に携わるのではなく、金銭なども含めた作品作りにおける影の屋台骨となるのであるが、その重要な役割に比較して一般的に注目されることはない。これに注目する人は、ただ作品を楽しむだけでなく、自ら作品も作りだす、あるいは、その作品を作る視点にも興味が行く人に限定されるであろう。ただし、作品作りにおいてプロデューサーは金銭などの実務に携わるため、作品がこけた場合には下手をすると多額の負債を抱え、信用が失われる。そのため、おいそれと作品作りにOKを出すことはできない。そこには、金銭に見合うだけの作品に対するプロデューサー側の眼識が要求される。
 Rubinstein氏の場合、その眼識はどうだったのであろうか1)。彼がプロデュースした映画として、1979年のジョージ・A・ロメロ監督による「ドーン・オブ・ザ・デッド」がある。その「ドーン・オブ・ザ・デッド」はソンビ映画の金字塔となった。その他、1982年の「クリープショー」もある。これは4話のオムニバス映画であるが、漫画をベースに映画化され、当時ではとても革新的な映画でもあった。一方、TVに目を向けると、「Frank Harbert's Dune」が挙げられる。映画でもデビット・リンチ監督による「DUNE」があるが、元のFrank Harbertの小説が長大なため、デビット・リンチといえども興行的には振るわなかった映画のひとつで、最終的には作品化が難しいことが示唆された。しかしながら、Richard P. Rubinstein氏プロデュースによる TVシリーズによって、こちらも高評価を得ている。また、ステーブン・キング著による「ランゴリアーズ」も非常に評価が高い。また、エクゼクティブプロデューサーを務めた「Tales From The Darkside」、「Monsters」は、「Twilight Zone」に端を発するホラー・SFチックな不可思議映像のジャンルに属し、両作品はそのジャンルの代表たる作品となった。「Monsters」の出だし映像を図に示す。この「Monsters」は一時日本の深夜放送枠でも放送され、視聴者の期待に沿うようにいい意味でカルト的な雰囲気を醸し出していた。

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図 「Monsters」の出だし映像2)

1) http://www.imdb.com/name/nm0748283/bio?ref_=nm_ov_bio_sm (閲覧2015.11.20)
2) http://www.strangekidsclub.com/wp-content/uploads/2011/10/chiller-monsters-tv.jpg (閲覧2015.11.20)

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