地底たる謎の研究室

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「天は二物を与えず」への反論



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:「天は二物を与えず」への反論
報告者:アダム&ナッシュ

 「天は二物を与えず」という。その意は、「天は一人の人間に、いくつもの長所や才能を与えてはくれないということ。」1)であるが、これは、人類は不公平ではなく、平等であるとの意も内包しているのかもしれない。しかしながら、真実のところ、人類が皆平等ではないのは、社会生活において誰もが実感していることが多い。それを戒めるように、明治時代の童謡詩人の金子みすゞさんの詩、私と小鳥と鈴と、にある最後の言葉「みんなちがって、みんないい。」2)と常日頃の念頭においたとしても、驚異的な二物、あるいは、三物、あるいは、四物…、と、とめどなく物を有する人物にめぐり合うと、やはり自分のふがいなさをがっかりする。「天は二物を与えず」とは、結局のところ、「天のいたずら」に過ぎないのかもしれない。
 「天のいたずら」は、例えば、として示したい。写真家のJingna Zhang氏の作例(図)がそれに当たるであろう。むろんこの作例のモデルはJingna Zhang氏ではないが、氏の肖像は文献4)にあるのでそちらを拝見していただきたいが、氏もとても美しい方である。さらに、図を見ると明らかに作品もとても美しい。かつ、氏のHP5)を見ると、これまた美しさの才能にあふれている。誰もが有無を言わさない、頷けるまでの普遍的な美しさにあふれている。一物が自身の美しさであるならば、美しい作例をとれる感性が二物、それを美しく仕上げる才能が三物、美しさを操る技術が四物となろうか。
 略歴によれば、Jingna Zhang氏は、北京で生まれ、シンガポールで育ち、日本の芸術、アニメ、ピアノに没頭し、その中で、その美しい才能の萌芽が形成されたとされる4)。一方、エアライフルでも2005年のワールドカップで第18位にランクされたとされる4)。少なくとも、これをカウントすると、五物となるかもしれない。そして、18歳で、デジタル写真に手をかけると、2012年にはNew Yorkに移り渡り、そこで、Vogue、Elle、Harper's Bazaarなど一流のファッション雑誌で作品を発表し、2011年にElle Awards Singaporeで今年のフォトグラファー賞を受賞し、さらに、写真家賞の一つである第7回Julia Margaret Cameron Awardを受賞している4)。



図 Jingna Zhang氏の作例3)

 筆者も氏と同じく日本の芸術、アニメなどに没頭した。しかしながら、こうも違うと、やはり「天は二物を与えず」に反論し、とほほなことに「天のいたずら」が確実に存在していることの証明ともとれる。

1) http://kotowaza-allguide.com/te/tennibutsuwoataezu.html (閲覧2017.11.29)
2) 採図社文芸部(編): 金子みすゞ名詩集. 彩図社. 2011.
3)http://static1.squarespace.com/static/53adb9cbe4b05e0d792c6c88/564ffda1e4b0070eb04b5f46/594041a38419c276ef6e9252/ (閲覧2017.11.29)
4) https://www.zhangjingna.com/about/ (閲覧2017.11.29)
5) https://www.zhangjingna.com/new-work/ (閲覧2017.11.29)

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