地底たる謎の研究室

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お魚のはたはたに関して



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:お魚のはたはたに関して
報告者:トンカツる

 はたはたは、あのはたはたであり、カタカナではハタハタという名のお魚として有名である。しかしながら、ハタハタとカタカナで書くと、ややかしこまる感じがすることから、ここはあえてハタハタへの愛称として、ひらがなで、はたはたとさせていただきたい。
 はたはたは、スズキ系スズキ目カジカ亜目ハタハタ科ハタハタ属に属し、学名は、Arctoscopus japonicusという1)。japonicusという名称からなんとなく類推できるが、Japan(日本)と関係が深い。生息域は、山口県以北の日本海、オホーツク海、宮城県から千島列島を経てカムチャッカ半島東岸に至る北太平洋に分布し、その生態は、冷水性底生魚類とされる2)。中でも、秋田県では、江戸時代から定置網、地引き網、手繰り網などで大量に漁獲できたことから珍重され、古くから秋田名物としても有名な魚であった1)。ちなみに、英名では、Japanese sandfishという3)。そのことから、日本の砂の魚であることもよく分かる。また、砂の魚のためかは分からないが、頭部と胴部にうろこもないことも、はたはたの特徴とする3)。
 文献4)によれば、はたはたの漁獲量は、古くは2 万t以上あったとされるが、1970 年代前半から 1980 年代にかけて急激に減少し、1984 年には 206 tにまで減少した。その後も1987 年以降も減少し続けた。しかしながら、1999年に青森・秋田・山形・新潟の4県間で、全長15cm未満の個体の採捕をしないことを取り決め5)、そのためもあってか、 2001 年からようやく徐々に増加し、近年では 3 千tまで回復した。上記の理由から、1992年9月~1995年7月に渡っては、はたはたの禁漁期間も設けられたほどであったが、漁業者の「はたはたを残さなくては!」という危機感もあって6)、資源管理に基づいて、ようやくはたはたが復活したことになろうか。なお、秋田県の県魚としては、2002年に制定されている7)。
 はたはたの卵塊はブリコと呼ばれる6)。はたはたの名も面白いが、ぶりこ(こちらもひらがなであえて示す)の名もなかなか面白い。ちょっと言い方をかえると、「はたはたのぶりっこ」、あるいは、「ぶりっこな、はたはたちゃん」となる。特に、サイズの大きいはたはたは、ぶり(っ)このようであり、秋田県の鈴木水産から販売されている通称”でかいはたはた”も子持でぶり(っ)このようである(図)。ちなみに、はたはたの名は、北日本各地での呼び名で雷光の古語、霹靂神(はたはたがみ)からとったとされる1)。ぶりこの名は、江戸時代はじめ常陸(現茨城)から秋田に国替えになった名族の佐竹氏が、正月にはブリを食べていたのを、ハタハタで代用し、その時に常陸のブリをしのんで、卵巣をせめても「ブリの子」と呼んだことに始まるようである1)。



図 でかいはたはた8)

1) https://www.zukan-bouz.com/syu/ハタハタ (閲覧2018.8.27)
2) 工藤充弘, 他: 陸奥湾におけるハタハタ稚魚の豊度と成長履歴. 魚類学雑誌 59: 21-35, 2012.
3) https://en.wikipedia.org/wiki/Arctoscopus_japonicus (閲覧2018.8.27)
4) http://abchan.fra.go.jp/digests24/details/2449.pdf (閲覧2018.8.27)
5) https://ja.wikipedia.org/wiki/ハタハタ (閲覧2018.8.27)
6) http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/pamphlet/093.pdf (閲覧2018.8.27)
7) 松本祥子, 他: 秋田県における魚介類の調理文化 -秋田県の特徴的な魚料理-. 日本調理科学会誌 40: 41-45, 2007.
8) https://ameblo.jp/hatahata8/entry-10031481196.html (閲覧2018.8.27)

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