地底たる謎の研究室

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新石器時代における石仮面が象徴するデザイン -Part Ⅰ-


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題名:新石器時代における石仮面が象徴するデザイン -Part Ⅰ-
報告者:ナンカイン

 自然界のものには様々なデザインが存在する。それは円に近かったり、三角に近かったり、四角に近かったり、である。しかしながら、完全な対称性の持つものはほとんどなく、上記の形状に近似できても、そこには自然界ならではの適応性や機能性によって完全に同じ形状は存在しない。人の体も手や足の本数、指の本数などは一致しているが、一卵性双生児であっても、完全な一致はなく、そこには微妙な差が生じる。しかしながら、人が人工的に作り出したものは、全体的な様相として左右や上下対称であったり、形状も円、三角、四角とほぼ同じものを作ることができる。微小な単位での変化はあるかもしれないが、作り出した製品の形状がまちまちであった場合は、品質的に問題となる。そのため、人工物はデザイン的に一定の形状を持ち、持ちやすく、持たせやすい。それは、新石器時代で作られたものも同じかもしれない。その一定の形状において、人工的な美をデザイン上で見出せる。
 先頃、新石器時代に作られたであろうと推定されている石仮面がイスラエルから発見された。その作られた年代は、9千年前とされる1)。図にその石仮面を示す。ただし、この石仮面の出土先が明らかでなく、イスラエル考古学庁(IAA)の盗難防止部隊によって発見され、発掘されたと思しき遺跡の表面の調査から、仮面の同位体および鉱物組成の予備的な分析により、この遺物が同地域周辺から発掘されたとされている1)。しかしながら、未だに真贋に疑問が持たれている。それは、このような石仮面は、他にも発見されているが2)、現在までに発見されている16個の仮面のうち、科学的に正しい手法で発掘されたものが1つだけであるという事実があるからである。そのことから、図の石仮面にも出土に関する謎が多く含まれている。一方で、この新石器時代における石仮面には、出土先の真贋はともかく、背景には重要な意味が潜んでいる。
 旧石器時代から新石器時代には、生活が急激に変化した時代でもある。それは、狩猟・採集に基づく生活から、農業や牧畜への生活に移行する時期にあたる。IAA考古学研究部のOmry Barzilai博士曰く、「石仮面は、農業革命に関連し、狩猟と採集を



図 新石器時代の石仮面1)

基本とする経済から、古代の農業や動植物の栽培に移行するには、社会構造の変化と宗教的な活動の急激な増加が伴うこととなった。その時代の儀式の結果として、人間の形をした人形、石膏の頭蓋骨、石仮面が含まれ、この時期に、それによる祖先礼拝が行われた」3)ことを伝えている。そのため、図の石仮面も祖先礼拝などの儀式に用いられた可能性が高い。そして、図を見て分かるように、この石仮面は、デザイン上の完成度が妙に高い。先に示した人工物的な特徴をたぶんに有する。その詳細については、Part Ⅱで報告したい。

1) https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/120400249/ (閲覧2018.12.7)
2) https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9349/ (閲覧2018.12.7)
3) https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2018/11/9000-year-old-stone-mask-unveiled-in.html#Pi1t4wTKmSD0EYph.97 (閲覧2018.12.7)

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