地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

自由を勝ち取ること



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:自由を勝ち取ること
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 なんだか只者ではないなとおもっていたそのハムスターは、ハムスター界のスーパーDJであるとともに、シチリアン・マフィスター(シチリアのハムスター界のマフィア)であることが告げられた。その告に意外と驚きはしなかったが、藤井美菜さん社長とつるんでいる、そのつるつるてんてん(この物語)という言葉が若干、気になった。どういう意味だろうか。

「あの~、つるつるてんてんとは一体…?」
「わりぃ。業界用語だったかもしれへんな。ちょっと説明長くなるけど、ええか」
「はい」

「実はな。ワイら、ハムスターは見ての通り小動物で、めっちゃ弱いねん。特にな、日中に一人(一ハム)で外でも出ようもんなら、そらこわいでー。イヌ、ネコ、トリ、その他もろもろに、簡単にすぐに食われんねん。そりゃ、こわくてかなわんでー。だからな、普段は、日中は、地下におるんやけどな、最近、暗殺集団のネズミ一家も多くなってな。ワイら、生きたここちせいへんねん。行くところあらしまへん。そうやさかいに、普段は飼われとんねん。だけどもな、やっぱ自由に憧れるワイら、通称マフィスターも多いねん。そこでな、それを取り仕切っているのがワイ、シチリアン・マフィスターのドンの出番ちゅうわけや。ただな、ネズミ一家以上に、自由を求めるハムスター同士の権力争いも最近、多いねん。その中でも、最も勢いを増しているのが、アジア系のアジアン・マフィスターや。やつら、ワイらの島をあらしてからに…。そんでな、その情勢を見て、ワイ、考えたねん。アジア系のじょしに気にいられてしまえば、こっちのもんやで。アジアン・マフィスターも、ワイらを仲間としてみるにきまっとる。そこでや。ワイらには、伝家の宝刀ともよべる、チーズ作りの伝統をもっとる。これをアジア系のじょしに「ハイ・チーズ」とあげるとな、ほとんど「きゃー、かわいい」と喜んでワイらに愛をそそいでくれるちゅうわけや。その愛のケージの中で、ワイらは、日中もこわがることなく、じょしのおかげで自由に遊べるちゅうわけや。おまけにアジアン・マフィスターもそのアプローチに一目おいて、ワイらに抗争できへんのや。そのマフィスターの自由を、愛すべきじょしと、その自由を勝ち取ることを、つるつるてんてん、というとんのや。なっ、Yukoちゃん。ワイらが安心できんのも、Yukoちゃーんのおかげやでー、めちゃめちゃだいすきやでー」

 食事の後の化粧直しを終えて、今しがた横にいたJapanの女優の新木優子さんも、そのハムスターの話を聞きながら、見つめて微笑んでいた(図)。



図 新木優子さん1)

1) https://www.pinterest.jp/pin/816558976166767246/ (閲覧2019.10.7)

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