題名:妙な夢を見た
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
(まるで狼のように血に飢えて欲するのは、なぜなのだろうか。気がつくと、朝方になって、口元から血が滴り落ちている。あたり一面に血が散乱し、一体、僕は、俺は、何をしてしまったのだ。そんなはずはない。僕は、まっとうにやがてNakajo家の執事になるだけの、Gaeele家の生まれなはず。執事になることは、もはや運命であり、宿命。なのに、朝目覚めると、口元から血が滴っている)
「はっ」
(ここで目が覚めた。なんだか妙な夢を見てしまった。ベッドから起き、鏡を見ると、明らかに口の周りに赤紫の液体がついている。そして、口の中も、その液体の残り香で占められている。夢だろう? これは、夢じゃないのか?)
「はっ」
二度寝して、もう一度目が覚めた。今日は、変な一日になりそうだった。おやっさんの苦渋の決断(この物語)で、ふと感じたおやっさんの悲しそうな目がそうさせたのだろうか。
テレビをつけると、このアパートの近くで首筋から血を流して女性が殺害されたとのこと。物騒な世の中になったもんだ。そう言えば、昨晩の月は異様に赤かった(図)。妙な夢を見たのは、その月の影響もあるのかもしれない。
「おはようございます」
「おっ、ガエールくん。今日は、はえーな」
「おやっさんの仕込みをじっくりと見たくて、早く目が覚めてしまいました」
「そうか。じゃ、少し教えてやるかの。むずいで~おっちゃんの仕込みは…」
「覚悟しています」
「そうか。その心構え、ええこっちゃ」
図 赤い月1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/596093700664358966/ (閲覧2019.12.26)
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