題名:そのだんぺん。あたまをばんどでこてーする。
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
あのときの…、あのときの…、あのときの…。そうして、ねていると、とめどなくなぜかなみだがあふれた。もうどうしもようもなく、なみだがとまらなかった。めがさめても、いっこうになみだはとまらない。おえつしているぼくのようすをみて、ジェシカがかけつけてくれた。
「きっぺい。どうしたの? だいじょうぶ?」
「ちょっと、かこのことを、おもいだして…」
「わかってる…。だいじょうぶだよ、きっぺい…。わたしがいる」
ジェシカはそれいじょうなにもいわずに、ぼくをはいごからすっとだきしめてくれた(ず)。ぼくはここのところ、ジェシカにあまえてばかりいる。でも、わすれているなにか、きおくが、すっかりしまいこまれ、うしなわれているそのだんぺんをおもいだすたびに、ぼくはいたたまれなくなって、あたまがくらくらする。そんなとき、ジェシカがいつもそばにいてくれて、うれしかった。
ジェシカにたいするあいは、いつだってかわらない。きょうも、あすも、あさっても。ぼくのいのちあるかぎりジェシカにまごころをつくす。そのちかいは、かみにちかったそのちかいは、うそではなかった。
ず だきしめて1)
それとはべつに、なにかをおもいだそうと、いやおもいださせるようにしむけられとるんや。きっと、おっちゃんせいからのしねん、かれいしゅうのせい。たぶん、そうや。そうにちがいないないんや。
いやー、ばれてしもーた。そうやで。おっちゃんせいからのかれいしゅうは、はなにつくんや。まるで、みつばちがむらがるように、はなにちくんや。いたいでー、そりゃいたいでー。でもな、みつばちなら、しだいになおるわな。なおらんような、あのしましまもようのはち、なんてーなまえやったかのぉ?
くまんばち?
いや、ちゃうで。そうや、かおをおもいだした。なんかさんぐらすかけとるような、そんでもそのおくからぐっとにらみつけるとるような、そんなしましまさんや。えっとー、なんちゅうやったかな。あれやあれ、まあるいすつくって、くじょせなあかん、あれや。
じょうおうばち?
そうそう、いやっ、それは、きんだいちこうすけやで。もー、かなりむかしのえーがでほとんどしらへんけんどもな? そうや、ばんどもおったな。じょうおうばちっていう(十)。ばんどやばんど。あたまがしばられとるんや。あたまをばんどでこてーする、ここじゅうようやで。あたまをばんどでこてーする。なっ。
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