地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

アパートの部屋で



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:アパートの部屋で
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 硬直しているリトルを抱えて、僕は川の、そのに僕は向かった。リトルを拾い上げたありあけみかんの小さな箱はそこにはもはやなかったが、その場所に僕は穴を掘った。穴にそっとリトルを寝かせ、僕は土をかぶせた。そして墓標として石を置いた。静かにその土の中で眠っているリトルの姿が浮かんだ。もう一度、掘り起こそうと思い直したが、Sacrifice of the Deadの真実は変わらない。
(リトルは、もう、死んだんだ。よみがえることはない)
(にゃおーん)

 きみはぼくに話しかける
 まるですごく遠くにいるみたいに
 そしてぼくは答えるんだ
 まったく違う時間にかすめとられでもしたみたいに
 まったく違う時間に・・・
1)

 埋めた後、何度も何度もリトルの空声を聴き、振り返りながらアパートに戻った。時計を見ると、もうすでに勤務の時間に迫っていた。
 (でも、今更、あんなとこに行って、どうするんだ。リトルは、もう帰ってはこない)
 僕はゲツベさんに電話をかけ、リトルが死んだこと、そして仕事をやめることを伝えた。ゲツベさんは予期していたかのように、「そうかそうか、わかった。でも、こっちは助かったよ。組織の結束には、どうしても犠牲が必要だからな。おかげでこっちの一団は、連帯感がさらに強固になったよ。やっぱ、いけにえ効果は絶大だ。ありがとよ。…、Hi(ハィ)、トラー」。そう僕に告げ、もはや赤の他人ごとのようにガチャリとそそくさと電話を切った。
 (いけにえ効果…)
 そうだ、ゲツベさんは最初からこのことを狙って、僕を雇ったんだ。
 アパートの部屋でぼーっとしていると、今日に限ってとても天気が良かった。窓から光が注いで、窓際にある椅子の上にリトルがいるような気がした(図)。でも、本当はそこにはいない。目を凝らすとそこにはもう椅子しかなかった。



そんな感じ図2)



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