題名:Sacrifice of the Deadの真実
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
途中、目が覚めた。横にリトルが居た。先頃までの苦しそうな感じはなく、どうやら抗生物質も効いているようだった。彼女は、今では、布団の中で心地よさそうにすやすやと寝ている。その様子を見て、とにかく動物病院に連れて行ってよかったと思えた。少しずつリトルの元気が戻ってきているようだった。僕はそのリトルの様子にほっとすると、また眠気に襲われた。
夢の中ではネムケのモンスターが襲ってきた。そのネムケなるモンスターは、森の中を彷徨っている僕を見つけて、今まさに追いかけていた。
僕は全速力で森の中を駆け抜けた。でも、僕の足は遅かった。どれほど、どれほど、僕の意識がトラックの前の方を目指そうとしても、小学校で6人での競争があれば毎回5位だった僕に、速々に走れる脚力はない。それは大人になっても変わることはなかった。次第にネムケに距離が詰められる。あっと思った途端、ネムケはその大きな口でがぶりと僕の胸を噛みついた。僕の心臓が走った状態と噛まれた状態で、どくんどくんと脈打っていた。その僕の様子をしり目に、ネムケはさらに僕に噛みついた。ばきばきと骨が折れ、最後の砦である僕の心臓は、ついにネムケの毒牙にやられた。噛み口から血がどくどくとあふれ出た。強烈な痛みの中、次第に意識はぼっーとしてくる。その出た血の量に応じて、ぼっーとしてくる。同時に、耳元でぼーっとした汽笛の音が聞こえてくる。もうすぐ出発だ。あの世への出発だ。
そうして僕は、ネムケのいけにえ、になった。そこから先の夢はほとんど覚えていない。たぶん、その時にREM睡眠からDeep睡眠へと移行したのかもしれない。
窓から明かりがこぼれ、朝を迎えたことが分かった。夢の中でネムケに襲われたことで嫌な感じがして、僕は真っ先にリトルの姿を見た。布団の中に彼女はいなかった。
(夜中に起き出したのだろうか…)
アパートの中を探すと、隙間の空いた押し入れにリトルが居た。(なんだ、こんなとこまで来ていたのか)とリトルの体を持ち上げると冷たいことに気づいた。体も幾分、硬直…
硬直して…
硬直している…。
僕はリトル、リトルと何度も呼びかけた。リトルはピクリとも動かなかった。昨日の晩はすやすや寝ていたじゃないか、と体をゆすった。
硬直したままだった…。
そこで、ようやく僕はリトルのSacrifice of the Deadの真実に気がついた。
そんな感じの図1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/1008876753994700067/ (閲覧2021.4.7)
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