題名:1-Clickで今すぐ読む
報告者:トシ
インターネットの物販で最大の大手は、やはりAmazonになるであろうか。その品数の豊富さは、他の物販サイトの追従を許さない。もちろん、筆者もよく利用させてもらっている。さらに、近年では、Amazonだけでなく、電子ブックやMP3販売も多く、そのすべてがネット上にあるために、スマートフォンやタブレットがあれば、気軽に購入できるよう体制も整った。読みたい、あるいは、聞きたい、と思えば、すぐにその夢が実現する。それが、電子ブックやMP3のよさでもある。
一方、Amazonでは数年前から「1-Clickで今すぐ買う」なるボタンも備わった。これによって、1クリックするだけで、電子ブックやMP3の即時購入が可能となった。ただし、そのシステムにも欠点がある。それはAmazon側ではなく、購入する側の脳システムにある。気軽に購入できる分、電子化されたファイルのため、返品は(たぶん)できない。気軽に購入してみたものの、その電子ブックやMP3が自分の予想と反して、メリットのない場合は、「金が…」と思えども、それは「戻らない」。気軽さと引き換えに、「金が…」はクレジットカードから決済される。あれも、これも、と「ポチる」と、クレジットカードからお金がどんどんと、「オチる」。さらに、「1-Clickで今すぐ買う」の利点は、1クリックするだけで、「○○さん、ありがとうございました。」となる。気軽な脳システムは、その「○○さん、ありがとうございました。」に、能(脳)天気に喜びつつ、その時は、心に太陽が照りつけるも、いざ購入した商品にメリットがないと判断されると、急に暗雲が立ち込める。恐るべし、「1-Clickで今すぐ買う」である。不確定な「ポチる」は、この記事にあるように、不安定な脳システムの状態では、その罠に気をつけなければならない。
現在、世の中の景気は一向によくはならない。いろいろなニュースが流れるが、景気がとてもよくなったニュースは、ほとんどない。昨今のニュースは、実にネガティブな内容ばかりである。ジョージ・A・ロメロ監督による「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」や「ゾンビ」の劇中の名セリフにあるが、
「地獄が死者で一杯になると、地上に死人があふれ出てくる」
「When there's no more room in Hell, The dead will walk the Earth」
と同じように、
「世の中が不満で一杯になると、報道はネガティブがあふれ出てくる」
「When there's no more hope in World, The news will walk the Negative」
かのようである。しかしながら、一方で、つい1クリックを必要以上に繰り返しているにも関わらず、景気は一向によくなっていないことが、筆者には不思議でならない。たぶん、筆者だけではなく、この記事を「1-Clickで今すぐ読む」でしまった人は、多かれ少なかれ、不確定性の「ポチる」をよく理解でき、今の景気にもクエスチョンであろう、と確信している。ただし、安心なことに、この記事には、もちろん決済の機能は備わってはいない。ここまで、読んだなら10円くださいとも、口にはできない。
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