地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

“豊かでなめらか、そして温かみのある声”

題名:“豊かでなめらか、そして温かみのある声”報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 次の日に出社すると、臨時の人事異動の交付があった。僕は営業2課に配属されていた。サメジマさんは課長に昇格していた。人事的には僕は降格で、サメジマさん…

ヘリの音

題名:ヘリの音報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 それでもまだ、その時はシズコとの会話は少しはあった。今日の仕事で、あったことを話した。成績のことも話した。「そんなこともあるわよ」と妻は慰めてくれた。「明日、帰り遅くなる?」、…

これで、十分じゃん

題名:これで、十分じゃん報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 それからたぶん1週間近く眠り続けた。起きていても、体が動かず、眠ったように意識がぼんやりしていた。体がまるで布団と一体化したような、そんな感じでもあった。何度か、スマホ…

軍の命令

題名:軍の命令報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 人をかばうことが無駄骨な部署だった。毎月毎月、誰かが倒れ、そして補充される。生き残った者のみに勝利があり、勲章がある。今や勲章のあるサメジマさんと言えども、心の中では僕に対して…

僕が殺してしまったんじゃないか

題名:僕が殺してしまったんじゃないか報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 眠ったか眠らなかったか分からないうちに、朝になった。窓から日が指し、時計を見るとすでに6時になっていた。 もしかして帰ってきているかもしれない、起きてからす…

「貴様。それでも軍人か」

題名:「貴様。それでも軍人か」報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕はできるだけ昨晩見た夢を思い出すように反芻した。しかし、もはや詳細には覚えてはいない。でも、シズコが消えた理由は、そこにある。そう信じて、昨日の夢を思い出すよ…

ぼきゅがやったんだ

題名:ぼきゅがやったんだ報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 自宅近くの駅に着いた。相変わらず僕の冷汗は止まらなかった。他人から見ると、僕の顔面はかなり蒼白していたに違いなかっただろう。まるで、今すぐにでも倒れる病人のように。 駅…

暗闇の向こうから

題名:暗闇の向こうから報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 朝になり僕は目が覚めた。しーんと静まり返った朝だった。いつもなら、カチャカチャと朝食の準備をする音やゴトンゴトンと洗濯機の回る音がする。でも、今日はやけに静かだった。キ…

ニワトリ並みの鳥肌

題名:ニワトリ並みの鳥肌報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 クミちゃんとの食事会という名の仕事が終わり帰途に就くと、妻が家の中で、真っ暗な中でぼーっとしていた。一向に動こうとしない。「暗いよ」と電気をつけた。食卓には僕の食事も…

一向に動かない牛

題名:一向に動かない牛報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 テーブルに届いたハイネケンで僕たちは乾杯した。そして、ゆっくりとメニューを見直し、店員さんを呼んでお互いに注文した。「「ペペロンチーノとタコのカルパッチョ…」」っといった…