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サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の音響効果


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題名:サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の音響効果
報告者:ゴンベ

 本記事は、基本的にこの記事の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 この記事にて、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の構造と歴史について述べた。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、建立からすでに1600年以上経過しているが、数回にわたる改修や地震などの崩壊の危機も乗り越え、ローマのバシリカ式の聖堂では唯一原構造を残している貴重な建築物であることもそこで示した。そのため、建立当時の装飾などもそのまま残り、建築・美術における当時の技術力を伺い知ることができる。一方、建築などのハード面だけでなく、教皇の説法などでもそれがいかんなく発揮され、声の音響といったソフト面でも、当時の技術力は高いレベルにあったに違いない。しかしながら、当時の教皇のそのままの声などはむろん残されていないため、ソフト面ではそれ以外の方法で調べることが必要となる。そこで、現在の技術でもって録音された音楽の録音場所が、仮にサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂であった場合には、そのソフト面も推論することができるかもしれない。そこで、本記事では、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂で録音された音楽から、それを検討したい。
 いくつかの音楽がこの大聖堂にて録音されたこともあるかと思うが、著者の手持ちのアルバムで最も輝いているのが、日向敏文氏による「ISIS」である。図に「ISIS」のジャケットを示す。1988年にアルファレコードから発売されたアルバムであるが、現在のアルファレコードはレコード・CD制作からは撤退しているため1)、求めても中古がメインとなろう。ジャケットは、日本人のNanaco Sato氏による写真であるが、このジャケットが示すように、「ISIS」には、日向氏が考えるヨーロッパ的な雰囲気がそこはかとなく漂っている。また、このアルバムの特筆すべき点は、「東京ラブストーリー」や「ひとつ屋根の下」といったテレビ音楽を担当する前の日向氏であるために、いい意味で商業的な様子が全くなく、彼の真のアーチストとしての創作の原点が垣間見れる。さらに、

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図 「ISIS」のジャケット2)

音源はピアノのみであるため、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂でのその響きが如実に分かるのも特徴である。教会の音響の特徴は、“ステレオ”にあり、聖歌隊の声の場合でも、別々の場所で歌う声をはっきりと分けて聞かせることができる3)。そのため、このアルバムもその報告に違わず、一音一音が粒立ち、音場も豊かで、明らかに一般的な録音場所とは異なる条件で録音されたことが一聴して分かる。
 アルファレコードはすでにレコード・CD製作から撤退した。しかしながら、このアルバムはサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の歴史とともに、日本の音楽史の一ページとして、今後も輝き続けるに違いない。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/アルファレコード (閲覧2015.12.18)
2) http://www.amazon.co.jp/dp/B00005GI37 (閲覧2015.12.18)
3) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5239/?ST=m_news (閲覧2015.12.18)

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