地底たる謎の研究室

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サーモンは如何にして高い地位の寿司ネタになり得たのか?



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:サーモンは如何にして高い地位の寿司ネタになり得たのか?
報告者:トシ

 そう言えば、かつてはなかった寿司ネタにサーモンがある。今では回転スシの人気でNo.1とも言える勢いであり、回転スシ屋でまず始めに食べるネタがサーモンである人も少なくないであろう。サーモンは別名、鮭(さけ)、シャケ、という呼び名もあるが、その呼び名だけではなく、スシでの食べ方も数多くある。例えば、生はむろんのこと、あぶったもの、玉ねぎとマヨネーズをかけたもの、アボカドと合わせたもの、レモンを搾れるものなど様々である。図にレモンを搾れるタイプのサーモンの寿司を示す。これを見ると、やはりよだれが垂れかけてしまうのは、なにも筆者だけではないであろう。とてもうま賞である。その賞ゆえに、今の寿司ネタの中ではサーモンは非常に高い地位にあることが推測される。さらに、この身に合わせて、卵であるイクラもこちらはかつてから高い地位にある。
 そこで、疑問である。
 今これほどの人気のある、高い地位にあると予想されるサーモンが、かつてはなぜ寿司ネタとして存在していなかったのであろうか?
 単純に答えると、サーモンは生食には向いていない魚であったからである。



図 レモンを搾れるタイプのサーモンの寿司1)

文献2)に記載されているように、元々握りである江戸前スシには存在せず、サーモンは非常に傷みやすく、冷蔵庫がなかった時代の江戸前スシには、ネタとして盛り込まれていなかったとされる。さらに、サーモンは他の魚と比べると寄生虫の量が多く、適切な処置を施さないと食べることができない。それゆえに、かつて寿司ネタとしてはなかったのである。この寄生虫が多かった理由として、サーモンは川から海、そして川へ戻る回遊魚であることが挙げられ、かつては、新巻鮭など、寄生虫を死滅させるような方法によってのみサーモンを食べることができた。ただし、今では、サーモンも海で養殖され、現在、回転スシ屋で見かけるサーモンは、海で養殖しているアトランティックサーモンや、チリから輸入される海封のニジマスであるサーモントラウトが主であることから3)、このような心配はなくなった。
 一方、高い地位にのし上がったサーモンの寿司であるが、好きな寿司ネタの質問に対して、あまり「サーモン」と答えない方がよいのかもしれない。文献4)によると、好きな寿司ネタで男性の年収が分かるらしく、低収入はサーモンが好き、とされる。ちなみに、サーモンと答えると、年収は300万円~となり、ウニやトロと答えると、年収は1000万円~となる。そこで、表向きは、好きな寿司ネタは…と聞かれれば、「ウニかトロ。」と答えつつも、回転スシ屋で「やっぱサーモンだよな~。」とサーモンの寿司をたらふく食べるのが正解となるのかもしれない。

1) https://www.canada.jp/stories/post-8570/ (閲覧2017.8.10)
2) http://athena-minerva.net/tabemono/2204/ (閲覧2017.8.10)
3) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12114951972 (閲覧2017.8.10)
4) http://rocketnews24.com/2014/09/17/487783/ (閲覧2017.8.10)

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