題名:車両コード C-3044059。ただし、売約御礼済
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
「江後ガエール(うぬ)さん。もう、信号が青になってるけど…、発進しないの?」
「はっ。すみませんお嬢さま」
中条あやみお嬢さまに言われて、ようやくそのことに気付いた。城崎温泉に出かける途中(この物語)、過去の、イギリス時代のフラッシュバックが、妙に頭の中に黄泉がえっていてぼっーとしていた。蘇るのではなく、意識下に死んだようにしまい込まれていたカリーナの面影が、黄泉がえった(この物語)。カリーナ、myスウィートハート、僕のイギリス時代のとっても愛しい人。でも、封印されていたはずのその意識が、ここに来て鮮明に黄泉がえった。なぜにwhy。
「でもさー。江後ガエール(うぬ)さん。今日のクルマ、珍しいよね。いつもは、トヨタのプリウスか、ホンダのフリードか、スバルのフォレスターを選んでドライブするのに、今日はなんで、珍しく中古車のカリーナなのかなー(図)。いつもはそんなクルマ、選ばないのに、なんでかなーって、ずっと思ってたよ。{一度きりの人生だから名車に乗ろう!!}というのも分かるけど…。でも、珍しいなー。古い車もわるくないけど。なんか理由あるの?」
お嬢さまにとっさに聞かれて、自分自身で「はっ」とした。無意識にうちに、無意識にうちに、無意識にうちに、カリーナを選んでいた。ここで、ようやく「はっ」と気がついた。帽子を、ハットを片手に、御法度していた自分が、カリーナを求めていた。
図 車両コード C-30440591)
「でも、こんなクルマでのドライブも新鮮だよ。たぶん、わたしのこと気遣って、このクルマにしたんだよね。この前、そんなこと、むかしのクルマの話も、ちょっとしたもんね」
「はい。お嬢さま。その通りでございます」
「さすが、江後ガエール(うぬ)さん。ガエールさんがわたしの執事でよかったー。うれしいー」
お嬢さまに、後ろめたさを感じた。僕は、僕は、我がGaeele家の血筋を絶やさないように、Nakajo家に尽くさなければならない身分なのに(この物語)。なぜにwhyフラッシュバック?
1) https://cartown.jp/usedcar/toyota/other/3044059.html (閲覧2019.11.22)
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