題名:定休日にて
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
「ニュースをお伝えします。昨夜、女優の山本美月さん(27歳)(図)が、大阪府の○○市の○○イベントに出席のために滞在しているホテルにて、何者かに襲われた事件がありました。幸いなことに、マネージャーの○○氏によって安全が確保され、安否も確認されましたが、山本美月さんによりますと、何者かによって首筋を噛まれそうになったとのことです。また、山本美月さんが襲われた同時刻の時間帯において、そのホテルの近くのアパートに住む一般女性の○○さん(23歳)が、首筋を噛まれ、殺害された事件が発生しており、つい先日も、同じ大阪府の○○市にて首筋を噛まれた女性が殺害された事件があったことから(この物語)、警察では、その同様な手口から、同一犯の犯行と断定し、ただいま捜査を続けています。以上、ニュースをお伝えしました」
図 山本美月さん1)
朝起きてぼんやりとしてその夢の断片が蘇りつつ、テレビをつけると、物騒な事件があった。なぜだろうか、毎回、僕が妙な夢を見たその夜には、同じ事件が起こっている。その夢と関連があるのだろうか。気がつくと、また、明らかに口の周りに赤紫の液体がついている。これは血? いや、違うだろう。違うはずだ。それ自体が夢の中のことじゃなかったのか(この物語)、それは…。
ふと、タンちゃんのことを思い出した。なぜだか、タンちゃんに会いたくなってきた。でも今日は、猫ラーメンの定休日にて、会えない…。
何だか怖くなってきた。僕が、自分が、もしかして事件に関係があるのだろうか。いや、夢だ。間違いなくただの夢。ニュースとは関係のない夢の世界…。
(タンちゃん…)
そうして、この日を境に、タンちゃんに対して、猫ラーメンで一緒に働く人から、少しずつ特別な存在の人へと変わり始めていた。普通の人と、明らかに普通の人と違う時間軸を持っているタンちゃんなら(この物語)、この不安の原因を教えてくれるかもしれない。明日の朝、仕込みの時におやっさんに相談してみようか…。
(タンちゃん…。教えてタンちゃん…)
1) https://www.pinterest.jp/pin/737745982694113279/ (閲覧2019.12.27)
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